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2008-06-02 23:52
現下国際金融システムの「絶対矛盾」
山下英次
EUI・ロベール・シューマン高等研究所 客員フェロー
今回の危機は、素性の良くないサブ・プライム・ローン問題に端を発した単なる流動性危機もしくは信用危機などではなく、早晩米国住宅市場全体のバブル崩壊につながるであろう。そして、それはアメリカ経済全体のバブル崩壊という事態に発展する可能性が大きい。米国経済は、長年にわたって、ほとんど爪先立ちの状態で、無...
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2008-05-30 19:46
アセアン経済共同体と金融・通貨協力
村瀬哲司
龍谷大学教授
アセアンは、設立40周年を記念する2007年11月20日の首脳会議において、アセアン経済共同体(AEC)の設立時期を2020年から2015年に前倒しにすることに合意し、AECの青写真に関する宣言を発表した。AECは、(a)単一市場と生産基地、(b)高い競争力を持つ経済地域、(c)公平な経済発展の地...
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2008-05-29 23:49
(連載)胡錦濤政権の対日姿勢を考える(2)
佐藤考一
桜美林大学教授
しかし、いい話ばかりではない。胡錦濤主席訪日の際、共同声明で使われた「戦略的互恵関係」という言葉にそれが表れている。青山学院大学の高木誠一郎教授は、『国際問題』誌2008年3月号で、「戦略的互恵関係」は「戦略的パートナーシップ」と同じ意味ではないと指摘した。日中共同声明を見てみると、日本語の「戦略...
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2008-05-29 00:45
根拠は何ですか?
零 淑華
留学生
4月29日の國分芳さんの本欄に対する投稿「東アジア共同体は最悪の結果をもたらす」(557号)を大変興味深く拝見しました。一般の学者と一寸違う立場に立って東アジア共同体構想を見るのは、とても価値があると思っております。しかし、文中の「歴史的に見て、あなたがたの子孫のうち、男子は殺されて、標本か、食物...
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2008-05-28 21:51
(連載)胡錦濤政権の対日姿勢を考える(1)
佐藤考一
桜美林大学教授
2008年に入って、チベット暴動、聖火リレー問題、胡錦濤国家主席の訪日、四川大地震、そして8月に控えた北京オリンピックと、プラスにせよマイナスにせよ、中国関連の記事が毎日のように新聞の紙面を賑わしている。まさに「龍の季節」の到来であるが、肝心の中国政府の対日姿勢はどのように評価できるのだろうか。
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2008-05-24 20:19
東アジア共同体と上海協力機構
河東哲夫
Japan-World Trends代表
「上海協力機構(SCO)」という妖怪の影に騙される人が多いので、その正体について卑見を述べる。元々この機構は、ソ連崩壊を受けて中央アジア諸国と中国の国境安定を確保するべく組成されたものである。2001年の9.11事件の後、米国がユニラテラリズムに急速に傾き、中央アジアにも軍事基地を獲得すると、SC...
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2008-05-22 22:19
胡主席訪日により新段階に入った日中関係
進藤榮一
筑波大学大学院名誉教授
暖春の旅――胡錦濤国家主席がそう呼んだ今次の訪日は、日中関係が、着実な成熟段階に入り始めつつある現実を示している。5年前、小泉政権下であったなら、靖国をめぐって歴史問題の入り口で会談は物別れに終わっていたはずだ。10年前、石原慎太郎氏が尖閣諸島上陸を企てた直後であったなら、ガス田開発をめぐって、国...
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2008-05-21 11:10
対露配慮でアジア外交を歪めるな
山田陽子
大学院生
河東哲夫氏は、3月28日付けの本欄への投稿「外貨50兆円を溜め込んだロシア」において「ロシアは、アジア・太平洋の一員として是非認めてもらいたい、そうすることで極東地方の地歩を少しでも高いものにしていきたいと考えている。だから日本はロシアとも、アジアのことを話し合っていくべきだ」と述べておられます。...
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2008-05-17 23:12
(連載)胡錦濤訪日の「円満成功」を検証する(3)
大江志伸
江戸川大学教授・読売新聞論説委員会特約嘱託
愛国主義強化に走り、中国国内の反日感情を際限なく肥大化させた江沢民路線の修正なしに、日中関係の真の未来がないことを、胡錦濤氏は早い段階から痛感していたとされる。胡錦濤政権の対日重視姿勢は、当面揺らぐことはないものの、新時代の幕開けを演出した今回の首脳外交の精神が、「嫌中」、「反日」に染まったそれぞ...
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2008-05-16 23:49
(連載)胡錦濤訪日の「円満成功」を検証する(2)
大江志伸
江戸川大学教授・読売新聞論説委員会特約嘱託
次に、「よりハイレベルの協力推進」では、安保分野でのハイレベル相互訪問の強化や、日中ハイレベル経済対話の戦略的活用などを具体策として盛り込んだ。最後の「国民感情の改善」は、日中両首脳、事務方とも最も心を砕いた点であろう。日中共同声明に、日本側の「反省」や「責任」に関する言及はなく、中国は「日本が戦...
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2008-05-16 04:59
国分さんの「東アジア共同体否定論」に反論する
中山太郎
研究所客員研究員
国分芳様、貴女の4月29日付けの本欄への投稿「東アジア共同体は最悪の結果をもたらす」(557号)を興味深く拝読しました。国分さんのすぐれた直観力を感じさせられました。おっしゃるとおりの結果になる可能性もありうるでしょう。神ならぬ人間の予測不可能なことでもあります。国際情勢も、刻々と変化しています。...
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2008-05-15 22:21
(連載)胡錦濤訪日の「円満成功」を検証する(1)
大江志伸
江戸川大学教授・読売新聞論説委員会特約嘱託
胡錦濤中国国家主席は、5月6日から5日間に及んだ日本公式訪問について、離日直前に見学した奈良市内で、報道陣に対し「訪日は円満に成功した」と強調し、日中関係の今後の発展に自信を示した。中国の首脳外交の公式評価に「失敗」はありえず、「成功」、「成果」といった常套句による総括が常ではある。だが、中国元首...
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2008-05-15 05:32
胡錦涛訪日と「東アジア共同体」
石垣泰司
東海大学法科大学院非常勤教授
今般の胡錦涛中国国家主席の訪日は、日中両国間の「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する共同声明をはじめ、気候温暖化問題等についての協調を含む70項目に及ぶ具体的協力に関する共同プレス発表が行われるなど、かなりの成果があったと評価して良いだろう。そのような中で、東アジア共同体に関する両国の協力の問題...
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2008-05-14 23:52
「アジアの現実」は日清・日露戦争前夜と同じか
田中秀和
大学院生
拓殖大学学長の渡辺利夫先生が、現在、日本経済新聞朝刊の「やさしい経済学」欄に「新・海洋国家論」を連載しておられます。渡辺先生は言わずと知れた我が国を代表するアジア経済の専門家であり、私も日頃教えられることが多く、大変尊敬申し上げている先達です。今回もまた興味深く拝読しているのですが、その中で「現在...
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2008-05-11 21:13
「勃興するアジア」の「域内部外者」日本の役割
武石礼司
東京国際大学教授
最近、欧州での政策決定に影響力を持つ人たちの間で盛んに議論されるようになってきたテーマに、「勃興するアジア(Rising Asia)にいかに対応するか」がある。アジアの経済発展と、その経済力をベースに生じてくる世界への発信力・発言力の向上に、欧米諸国がいかに対抗していくか、自らのポジションをどのよ...
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2008-05-09 23:15
胡錦濤主席訪日と残された今後「2箇月の猶予」
櫻田淳
東洋学園大学准教授
「暖春の旅」と表現された胡錦濤主席の訪日は、外交イヴェントとしては無難なものになりそうである。中国政府のチベット情勢への対応、世界各地で開かれた北京五輪聖火リレーにおける混乱の風景は、確かに日本国内における胡主席歓迎の気運に水を注したとはいえ、訪日の日程それ自体は恙なく消化されている。無論、日中首...
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2008-05-09 00:22
評価すべき日中首脳会談
井上和洋
予備校教師
中国の胡錦濤国家主席が国家主席としては10年振りに日本を訪問しています。7日には福田首相との間で、「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する「日中共同声明」が署名されました。これは、1972年の「日中共同声明」から数えて4番目の共同声明であり、日中関係を未来志向で発展させていく上で、歴史的に重要な声明...
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2008-05-06 20:15
東アジア共同体評議会は、「場」か、「運動体」か
亀山 良太
自営業
本欄への4月30日付けの私の投稿「東アジア共同体は『運動』であることに意義がある」(558号)に対し、同日付けで石川良平氏から「『東アジア共同体』論議は弁証法的に捉えよ」(559号)とのコメントをいただいたので、それに呼応する形で、今回は「東アジア共同体評議会」(以下「評議会」)について私見を述べ...
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2008-05-05 20:08
中国の中国による中国のための五輪
大江志伸
江戸川大学教授・読売新聞論説委員会特約嘱託
「アジアの発展途上国の指導者の多くが、国民の再結合に有効と信じるナショナリズムの政治利用に傾斜している」。江沢民政権による反日教育キャンペーンが激化した1995年、キッシンジャー元米国務長官は読売新聞への寄稿の中で、冷戦終結によって方向性を失った中国ナショナリズムの近未来に警告を発していた。あれか...
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2008-05-02 21:02
福田総理のオリンピック開会式への出席表明に思う
鈴木馨祐
衆議院議員
昨日(5月1日)あたりから福田総理が北京オリンピックの開会式出席に前向きな姿勢を見せているようだ。チベット問題、東シナ海ガス田問題、農薬ギョーザ問題、越境公害問題、軍備拡張問題、国連安保理常任理事国入り問題、中国側の姿勢ゆえに、何一つとして解決の糸口すら見えていない、今の段階で、中国が最も欲しがっ...
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東アジア共同体評議会