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2008-04-11 08:33

日本の株式市場の低迷と先物市場の不備

四条秀雄  不動産業
 日本の株式市場の低迷について、私達のような一般個人投資家の間でよく言われることは、先物市場の存在に原因があるということです。私は、日本の株価は少し低いと感じていますが、今回のような暴落局面では、特にその傾向が強いと感じます。それで先物市場について考えてみました。

 先物市場は、その本質を考えてみると、モノの信用取引きの市場です。お金の貸し借りではなくて、モノの貸し借りです。貸し借りを「先」と言い換えているわけです。ですから、将来モノの貸し借りについてこういうふうに清算しますよという、「過去」に行われた取引契約といえます。そして、お金の貸借と違っているのは、モノの価格(お金とモノの関係)は変動が激しいということです。お金は、中央銀行が物価に責任を持って管理されていますが、モノの価値は自由です。ですから変動が激しく、とても怖い。それで貸借は怖くて、保険が必要になります。これが先物オプション契約だと思います。これが実質上、モノの世界の中央銀行の役割を果たしているのだと思います。

 これを日本の株式市場に当てはめると、モノの貸し借りが日経先物取引になり、その保険が日経先物オプション取引になります。オプション市場で取引きに参加している人々は、全体でモノのお金に対する価格に共通の関心を持つ利害集団を形成します。中央銀行が物価の安定に関心を持つように、株価の安定に関心を持つわけです。私は、先物市場は必要だと思いますが、株価への関心の持ち方が、もう少し制度的に工夫されれば、日本の株価ももっと納得のいくものになると信じています。
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