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2009-06-02 10:11
(連載)矢野論文についての感想(2)
中山 太郎
研究所客員研究員
同じ頃、中国であるパーティーの席上、スエーデン外務省高官が、まさか日本人が紛れ込んでいるとは知らず、「もう日本は駄目です。これからは中国の時代です」とスピーチ。これを聴いた日本の友人によれば、最近欧米人には「日本と中国とを離間させておくのが得策」との発言が多く、中国人にも日本人にも、こうした欧米人の深謀遠慮を知らずに、その策に乗る人たちがいるとのことでした。
しかし、ここで「欧米人はけしからん。アジア人よ、団結せよ」とただ叫ぶのは、徒労に終わることです。アジアにも、欧米にも、真の日本のよさを知る人は多いのです。最近米国の大学が保蔵する膨大な「蒋介石日記」が、公開されつつありますが、その中で、ソ連時代の蒋介石はソ連と日本を比べ日本のすばらしさを記述しています。大陸の研究者の内々の話でも、若き日の毛沢東は中国国内の私塾的な学校で学びましたが、そうした学校の先生には日本留学経験者が多く、先生方は日本のよい点を多々学生に教えていたようです。
良質な欧米人にとっても、西欧文明の閉塞感の中で、日本を初めとする非西欧社会の良質な部分を学び取っていこうという兆しが出てきているように感じられる。我々は、そうした人たちを失望させないように、そうした層が増えていくようにと、地道な積み重ねの諸努力(経済協力、学術交流、文化活動)が益々必要だと考えるこのごろです。(おわり)
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中山 太郎 2009-06-02 10:11
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