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2009-04-20 15:43
(連載)北朝鮮の行動の基礎にあるポイント(2)
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
分析はともかく、一体どう対応すれば良いのか、という段になると、提示されている選択肢は極めて少ない上に、即効性も期待できそうにない。窮乏化が極に達した民衆の蜂起(というのが穏やかでなければ)、不服従、あるいは経済的枠組みの崩壊を期待する、というのはおそらく正論ではあろうが、(可能性が皆無でないにしても)いまのところそれを伺わせる動きはない。
ビッグブラザーである米中両国が巧みな交渉によって路線変更を引き出すというのも、日本が蚊帳の外におかれるという点を除いて、期待薄だ。オバマ大統領のプラハ演説がわずかにそれを期待させるが、この種の問題に関する米国の外交手腕は、失礼だが、過去稚拙を極めた。中国にとっては、不穏な動きをする北朝鮮は、バーゲンチップとしてはむしろ国益にかなうものであり、にわかにそれを沈静化させる必然性があるとは考えにくい。六者協議の場で五カ国の間に思惑の相違があるのと、本質的には相違がないといってよいかもしれない。
八方ふさがりのときは、原点に戻る他はない。武力侵攻による政権転覆というのが選択肢に入らない以上、日本は国是とする平和主義、平等互恵、核廃絶をふまえての交渉・話し合いに工夫を凝らすということしかあるまい。それがいかに迂遠で腹立たしい思いをすることがあっても、である。ひどく月並みに聞こえるかもしれないが、王道に如くはない。実に「急がば回れ」である。ここは「善は急げ」とはゆかない。それとも両立させる秘策があるのかな。(おわり)
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入山 映 2009-04-19 07:13
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入山 映 2009-04-20 15:43
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