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2008-04-19 09:07
(連載)東アジア地域協力における日中協力の必要性(2)
坂本康平
会社員
メコン地域の開発協力については、中国がインドシナ半島を南北に縦断した「南北回廊」の整備に積極的に取り組む一方、日本は「東西回廊」の整備には積極的である。日本は中国西南地方をインドシナ大陸と結ぶ「南北回廊」に消極的だとの見方もあるが、メコン地域をめぐって日中両国間にある程度の競合関係が生じたとしても、「東西回廊」、「南北回廊」はともに、メコン地域において巨大な物流ネットワークを形成するものであり、その最終的に目指すところは同じである。むしろ経済的に見て同じ地域の物流ネットワークが十分に連携できていないことの方が問題であり、両者をうまく結びつけていくことができれば、さらなる開発効果も期待できよう。
もちろん、こうした取り組みが簡単に実現できると考えるのは、あまりに楽天的であろう。しかし、実現可能なところから一つ一つ着実に実績を積み重ね、東アジア地域協力をめぐる日中両国の協調・協力の可能性を伸ばしていく努力が必要ではないだろうか。日中両国の間には、依然として多くの問題が横たわっているが、冒頭に引用した外務省の参事官の説明にあるような状況変化が見られる今こそ、まさにその好機であると言えよう。
現在中国の楊潔チー外相が来日中であり、昨18日には福田首相が首相官邸で会談したと伝えられている。メディアをつうじて報じられているこの会談の話題は、中国チベット自治区での騒乱問題や北海道洞爺湖サミットの主要議題である地球温暖化問題への取組みだが、日中両国の関係において東アジア地域協力問題こそは長期的に見てもっとも重要なテーマである。機会あるごとに両国トップレベルで話題にしてもらいたいと思う。(おわり)
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(連載)東アジア地域協力における日中協力の必要性(1)
坂本康平 2008-04-18 00:40
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坂本康平 2008-04-19 09:07
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