世界情勢の細部に至るまで、そのような総括でまとめることが可能かどうかについては、疑問の余地がありうる。ただアメリカ国民から見れば、トランプ氏が言っていることは、あながち嘘とは言えないだろう。焦点の一つは、言うまでもなくウクライナである。ロシア・ウクライナ戦争が、米国の庶民を苦しめている物価高の遠因になっていること、巨額の資金をウクライナ支援にあてていることは、アメリカの直接参戦の有無という点をこえて、2024年現在の大きな論点であることは間違いない。トランプ氏は言う。
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「ブッシュ大統領のとき、ロシアはジョージアに侵攻した。オバマ大統領のとき、ロシアはクリミアを併合した。バイデン政権のとき、ロシアはウクライナに侵攻した。トランプ大統領のとき、ロシアは何もしなかった。」(Under President Bush, Russia invaded Georgia. Under President Obama, Russia took Crimea. Under the current administration, Russia is after all of Ukraine. Under President Trump, Russia took nothing.)https://www.nytimes.com/2024/07/19/us/politics/trump-rnc-speech-transcript.html
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