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2021-03-10 11:12
(連載2)日本の金融機能強化のために
鈴木 馨祐
前外務副大臣
むしろ広域の地域経済の中での戦略的M&Aにおける人材面を含めたアドバイザリー業務や地方創生におけるファンド組成などのプロデュース業務等にも軸足を置かざるを得ません。それもあり、これまでも経営判断上、経営統合なども選択肢として検討できるよう独禁法の規定についても見直しを行ってきましたし、今回の法改正においても経営統合等をする銀行等のシステム統合費用に対する資金交付制度の創設が盛り込まれたところです。
加えて、今後様々なプレーヤーがその付加価値を高めるために金融サービスに参入してくる可能性が高まる一方で、金融機関側の長期的な経営戦略を考えれば、金融分野における環境変化を踏まえれば金融機関の最大の資産・強みは培ってきた信用とブランド力、人材そしてデータ・情報ともいえるわけで、そこを活用して価値創造・収益力強化につながるビジネスモデルを構築していかざるを得ません。
こうした大きな変化があり、そこに即した新たな法体系への転換を図っているところですが、その長期的な転換のプログラムのうち、現時点で行うべき制度改正ということで、今回の法改正を行う次第です。例えば、現状においては、他の事業を営む企業が銀行業に参入することは自由ですが、銀行には他業規制がかかるなどの不均衡があるので、著しい問題が起きる可能性がある分野を除き他業への参入を認めること、あるいは香港の状況等に鑑み、国際金融センターを日本に誘致するにあたり必要な規制緩和などがその主な内容です。
もちろん、現実問題として現時点では金融機関が優越的な地位を有する場面もありますし、そうした事例も報告されていますので、金融機関による不当な優越的地位の濫用が無いように政府が適切な金融監督を行うことは当然必要です。しかし同時に、必要な制度改正を行い、日本の金融機能を強化していくことは日本の長期的な構造強化のために極めて重要ですので、今後、党内、与党プロセス、国会審議と議論が続いていきますが、着実に進めてまいりたいと思います。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)日本の金融機能強化のために
鈴木 馨祐 2021-03-09 19:28
(連載2)日本の金融機能強化のために
鈴木 馨祐 2021-03-10 11:12
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