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2020-12-25 04:24
(連載2)専門家の給与を世界基準に引き上げよう
岡本 裕明
海外事業経営者
カナダの大学を出れば仕事ができるビザが3年ぐらいでるため、就職後に企業からワークビザを出してもらい、次に移民権の申請をしてその国に残るのが王道です。カナダの場合、移民推進策をさらに進め、21年度は40万人受け入れる見込みです。人口の1%以上です。優秀な人材をかき集め、世界の頭脳化を着実に推し進めているのです。日経に「研究者の中国流出続く 破格の給与魅力、待遇改善急務」という記事があります。かつては日本のBrain Drain(頭脳流出)と言われ、外国に行く研究者は非国民だといわんばかりの雰囲気もありましたが、今は「日本に残っても…」となりつつあるかもしれません。記事には「18年の科学技術予算は中国が28兆円に対し、日本は3兆8千億円と7分の1。また日本の大学教員に占める40歳未満の比率は16年に23.4%と過去最低となり、若手が職を得るのは難しい」とあります。その為に中国に出る研究者が多いというわけです。記事は続きます。「外務省によると、中国に在留する研究者らは17年10月時点で約8千人。1カ月以内の短期も文部科学省によると、18年度は1万8460人と14年度比約25%増で4年連続の増加だ」とあります。こんなに多くの日本人研究者が中国だけをとっても流出しているのです。
研究者も生き残り競争が激しく、待遇のみならず、やりたい研究が続けられる海外にその活路を見出すしかない、というが本音なのでしょう。別に好きで海外に行くわけではなく、日本に自分の希望に沿った研究機関や大学がない、あるいは受け入れてくれないということなのです。研究者や海外留学生のように高い能力を持った人が日本に戻らず(あるいは戻れず)、他の国で活躍するのが当たり前になったらどうなるのでしょうか?日本の沈没は避けられなくなります。
私は大学生の時から日本の国際化をずっと唱えてきました。ですが、40年近くたった今でもあまり国際化は進んでいません。むしろ、逆の方向に進んだ感もあります。日本で長く続くデフレとデフレマインドはその要因の一つでしょう。バブル崩壊で膨らみ切った企業の負債を減らすため、給与水準を下げ、かつ、レッドオーシャンの中、仁義なき価格戦争を繰り返してきました。不毛の戦いでありました。
その間、海外の物価は上がり続け、今では日本人が海外旅行に行っても「物価が高すぎて…」という状態になっています。日本の平等主義は特筆すべき特徴ですが、成果に見合った報酬とジョブ体系は世界基準で考えるべきです。日本がいつまでもガラパゴスというわけにはいかないことを肝に銘じないと日本の迷走は続くかもしれません。(おわり)
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(連載1)専門家の給与を世界基準に引き上げよう
岡本 裕明 2020-12-24 20:13
(連載2)専門家の給与を世界基準に引き上げよう
岡本 裕明 2020-12-25 04:24
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