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2020-12-24 20:13
(連載1)専門家の給与を世界基準に引き上げよう
岡本 裕明
海外事業経営者
日本の銀行が経営不振になった2000代年初頭、世間は銀行員の給与水準が高すぎると大バッシングをしたのを覚えていらっしゃいますか?経営不振なのに銀行員が年収1000万円以上取るなんておかしいじゃないか、とか人のお金を右から左に流すだけでそんなに給与を取って良いのか、などなど不満がさく裂していました。銀行員の給与が高かったのはお金を扱う業務だったことが理由の一つで、もしも薄給でカツカツの生活だったら目の前にある札束に目がくらんで身内の不祥事が絶えなかっただろう、だから給与を増やすのだ、という考えでした。一方、給与水準が就職の重要な決め手である大学生にとって仕事の中身ではなく、高い給与という人参に釣られて銀行に入ります。が、スパルタ的な厳しいノルマを課し、数年間で新入社員の何割かを振り落とし、選りすぐりの部隊を作るのが人事政策でした。
ここにきてようやく、企業が即戦力のある中途採用者を広く募るようになってきて大企業が高給を餌に新卒を大量に囲い込む人事政策を転換し始めたのはよい傾向であります。私は海外に30年近くも出ているわけで当地の給与体系はそれなりに見てきました。その明白な違いはジョブ型採用でスタッフと幹部候補でスタートポイントが違う点でしょうか?日本は妙な平等主義があり、新入社員は全員同じ給与からスタートし、総合職であれば査定の差こそあれ、2-30年経ってもせいぜい年収数百万円差程度で北米と比べれば大した差はつきません。
こちらの若手エリートにはなかなかやるな、と思わせる人たちは結構いるものです。その違いの一つは積み上げてきたキャリアでしょうか?大学や院卒という表層的な部分だけではなく、学生時代にどれだけのチャレンジをしてきたか、という社会人経験が採用のポイントになります。ボランティアでもいいし、サマージョブでもいいのですが、バイトでファーストフード店に勤めていたというのではなく、数カ月の休みを自己研磨のためにどう活用してきたかのアピールが素晴らしい人が散見できます。技術系ならどんなものに没頭してどんな成果を上げたかはっきりしたプレゼンテーションができたりするのです。
日本人の海外留学生は概ね2017年で10万人強とされます。また高校から海外留学する人も多く4ー5万人いるとされます。カナダは高校、大学共、人気国ベスト3に入ります。ここも学費や生活費が高いですが、アメリカがあまりにも高すぎてカナダに来る学生も多いようです。それらの学生は卒業が近づくとどうするか悩むケースは多いのですが、私は口を酸っぱくして「カナダに残りなさい」と言っています。理由は日本に戻ってもせっかくの能力を生かすジョブも評価される手段も限られているからです。(つづく)
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