これまでの東アジア地域における統合や協力の発想はどちらかというと、グローバルな動きを所与ととらえ、その中でどのような地域協力が可能かという問いかけが多かったように思われる。しかしこのような発想のままでは、多くの分野(たとえば、地球温暖化や会計基準等)でアメリカやEUの動きがデファクト・スタンダートとなり、東アジアはただただそれを受け入れるということになりかねない。IMFやWorld Bank のトップの人事に東アジアが影響力を行使できないとしても、これからは東アジア地域に存在する様々な強みを活かしてもっとグローバル社会にアイデアを提供し、それを実践に移す行動力が東アジアに求められるであろう。地球温暖化はいうまでもないが、例えば、アフリカ支援で東アジアが積極的に協力をし、アジアの経験をアフリカに活かすこともできるはずである。今後の東アジアのソフトパワーに期待したい。