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2019-06-18 10:05
アフリカ問題について
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
現在、日本のマスコミは6月下旬大阪で開催のG20首脳会議にばかり注目しているようだが、8月に横浜で開催の第7回アフリカ開発会議(TICAD)も忘れてはならない。アフリカは、2050年ごろには世界人口の4分の1の25億人となり、巨大マーケットの誕生が期待されている。しかし現状は、未開発国にありがちな内戦、治安不備、飢餓、感染病流行などの劣悪な衛生環境、あまつさえ女性を略奪して性奴隷として売り飛ばすなどの蛮行も行われている。
日本は、1993年から経済支援を含む経済的、人的交流を深める目的で、日本主導で国連、世銀などを巻きこんだ国際会議を5年ごとに実施してきた。一方、ご存知の今、日の出の勢いの中国は、アフリカに対して様々な思惑を秘めて攻勢をかけてきている。昨年9月の北京開催の「中国・アフリカ協力フォーラム」(FOCAC、2000年より3年おきに開催)で、習近平国家主席は、今後3年間で600億ドルの支援を行うと述べている。また、今年4月の第2回「一帯一路フォーラム」でFOCAC参加国53か国(全アフリカは、54か国)の内37か国が「一帯一路イニシアチヴ」における覚書に署名した。日本の支援は良質で、現地社会や環境保護にも配慮し、長期的に見ればコストも安いとも言われるが、中国の大量の労働力、機材を持ち込みスピードをもって仕上げるそのエネルギーには敵わない。今、アフリカに中国人は100万人以上と言われている(日本は8千人程度)。
それに日本は、先進国ルールに制約されて、無償供与に近い支援以外はアン・タイドであるが、そうしたルールの枠外の中国は中国企業がほとんど受注できる。しかし、日本は、国際場裏で生存のためには、中国ができない分野やニッチな分野での知恵、技術力で進出もできよう。そして大事なことだが、国際場裏においては存在していることも極めて大事なのだ。例えば、アフリカにおける「性奴隷」問題について、韓国などは日本の慰安婦問題と同一視した報告書作成に暗躍したりするのだ。
アフリカ全体の数字は不明だが、マラウイでは日本の海外青年協力隊員が12名現地の劣悪な衛生、交通状態の犠牲になり命を落としている。抗争地への国連平和維持活動への自衛隊参加も日本の法的制約や世論などにより参加でなかったり、途中での撤退を余儀なくされている。中国、韓国の軍隊は現地に存在し、現地社会の治安維持に寄与している。
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対中外交への一つの見方
中山 太郎 2019-06-13 12:48
アフリカ問題について
中山 太郎 2019-06-18 10:05
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