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2018-08-07 11:14
(連載2)もがく習近平氏
岡本 裕明
海外事業経営者
もう一つは北朝鮮。これもアメリカと頭越しに会談が行われたことに対して習近平氏はそれまで一度も会ったことのない金正恩氏と3カ月に3度も会っています。見方はいろいろあります。親密性を世界に訴えること、習氏の力を見せつけること、中国との冊封関係が今でもあるがごとく印象を与えることなどでしょうか?しかし、国連で決議された同国への経済制裁決議があるため、あからさまな協力体制には舵を切れません。つまり中途半端で宙ぶらりんな北朝鮮外交であります。
台湾とも微妙な関係が続きます。中国は「中国台湾」という中国の一部である意思表示を強め、中国の金銭ディールで台湾と外交のあった4つの国が今年、その関係を断絶せざるを得ない状況となりました。台湾問題は習氏としての絶対に譲れない外交政策の一つでありますが、ここにもアメリカが正々堂々と邪魔に入っています。数日前には台湾の「中国国民党」の元党首が習近平氏と会談していますが、現党首は台湾独立派でその温度差は明白。
とすれば習氏が野党の元党首と会わざるを得ないほど台湾問題は複雑ということの裏返しでもあります。そういえばこの中国国民党とは戦時中、蒋介石率いるあの国民党の前身でその後、毛沢東との争いに敗れ、台湾に逃げたというあの歴史的いきさつがありました。その中国国民党の元党首に接近する習近平氏は絶対権力者としては格好のよいものではないでしょう。
中国経済の安定成長という点からも不安視する声は出ています。安泰と思っている中国共産党が二枚舌で、勢いのある方に付くという動きをし始めると一気にその権力は地に落ちます。毛沢東氏が文化大革命を行った際にも四人組の騒動があり、76年に疲弊した毛氏が死去してすべてが終わり、世の中がひっくり返りました。僅か10年の文革でこれほど形成が変わったのも珍しいでしょう。習近平氏の絶対的権力は習体制の崩壊の始まりとみられてもおかしくないのかもしれません。(おわり)
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岡本 裕明 2018-08-06 12:50
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岡本 裕明 2018-08-07 11:14
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