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2007-02-11 11:51
ロシア政治文化の暴力性について
四条秀雄
不動産業
情報化の進んだ冷戦後の世界は、普通の国家組織による大規模な殺傷行為は不可能になっていますが、反対に、テロやスパイや緩衝国の核武装や国家内国家というような形での「浸透型」の威嚇・侵略行為が進んでいます。イラク戦争では、イラクでの戦闘を明示的現実だとすると、暗示的現実として米英では国内での監視システムが非常に進みました。「浸透型」戦争の観点から言えば、公式非公式の人的交流や映画等を使ったプロパガンダ情報戦、緩衝国での動き、ヒズボラや毛派のような国家内国家の動きなどが注目されます。そういうなかでロシアの動きはどう読むべきなのでしょうか。
雑誌『外交フォーラム』2月号に「ロシア特集」が組まれていて、とても面白い論文が幾つもありました。特にロシアの農奴制について「広大な国土と相対的に少ない人口の問題が、人間を強制的に土地に繋ぎ止めておく農奴制に繋がった」という指摘は面白いと思いました。ロシア政治文化の暴力性の根源は、そういうところにあるのかと思いました。では、都市化が進んだ時にロシア人は変わるのか?ということを考えてみたいと思います。
人間という経済的リソースの配置・配分に政治的力が及ぶのを許容する心性が農奴制から共産主義体制を通じて維持されてきた後に、それは市場社会でどう変容するのか?政治的力が経済を支配してきた農奴制ロシア的組織であるKGBが、市場経済のメカニズムのなかで権力を利権に変える手法をどのように開発するのか。そのとき、権力と市場はどう折り合いをつけるのか?ボスレンスキーはソ連時代のノーメンクラツーラ(特権階級)を約70万人と推定しましたが、体制は変わってもかれらこそは、現在形成されつつあるKGB利権共同体の中心に座りつづける特権階級であると言われています。プーチン政権になってから、ロシアは内政でも外交でも、その政治文化の暴力性の根源に回帰しつつある、との指摘が世界中でなされているだけに、これは重要な問題だと思います。
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