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2016-08-18 19:23
(連載1)急速に厳罰化されている中国の環境規制
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
中国の環境問題が深刻化していることはよく知られている。世界的にも中国の大気汚染の深刻化は認知されるようになり、日本でも大気汚染物質「PM2.5」という言葉も一般的に知られるようになった。水質汚染も土壌汚染も深刻だ。黄色や緑色の河川の写真などがインタネットで公開されている。中国の高度経済成長の陰に環境問題が存在している。中国は環境後進国というイメージがついている。
中国政府はこうした事態に対して、環境保護法や大気汚染防止法を改正して、規制強化により環境問題に対応しようとしている。一気に欧米の規制レベルに持っていこうとしている。あまりに急なので本当にできるのか、と首を傾げるほどすごい変化だ。以前なら、どうせ賄賂で抜け道がいくらでも作れると高をくくる話だ。しかし、そうした賄賂に対しても厳しい対応がなされている。一歩間違えれば刑務所行きになる。賄賂の抜け道も簡単ではなくなっている。
中国政府は、相当に本気で環境問題に取り組もうとしている。欧米諸国や日本が20~30年位かけてやってきたことを、中国は一気に数年で行おうとしている。明らかな無理もある。しかし、それくらい中国の環境汚染は深刻で、追い詰められているといえる。これは日系企業にとっても重要な変化だ。日系企業も気を緩めると環境規制に引っかかり、処罰される可能性がある。また同時に、日本の環境技術を使って、中国に環境ビジネスを売り込むチャンスでもある。変化をしっかりと把握して取り組むことが必要だ。情報戦となっている。
2014年4月24日に改正された「環境保護法」は、15年1月1日から施行されている。さらに15年8月29日には「大気汚染防止法」が改正され、16年1月1日から施行された。今後さらに他の法律も改正され、「土壌汚染防止法」も新たに制定される予定だ。中国は土壌汚染に関しては規制が緩やかであった。工業排水も圧力をかけて土壌に入れてしまえばお咎めなし、という状態であった。それが、深刻な土壌汚染を生み、地下水も汚染された。中国は地下水を大量に使うので、地下水の汚染は致命的な影響がある。ここにもメスが入ろうとしている。非常に大きな変化だ。(つづく)
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