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2015-06-27 14:05
(連載1)日本郵政の限度額引き上げ問題
鈴木 馨祐
衆議院議員
6月23日朝、自民党本部で郵政事業に関する特命委員会が開催されました。焦点となったのは、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の預け入れ・契約限度額の引き上げ問題。会議の場でも反対論が相次ぎ、まさに大荒れ、しかも反対論が半数を占めていたにもかかわらず、幹部による強引な一任取り付けもあり、非常にもめた会議となりました。そもそものこの限度額問題の流れをここに書けば、話は10年前の郵政民営化に遡ります。
平成17年の郵政民営化法で、郵政の金融子会社である今のゆうちょ銀行・かんぽ生命(当時は郵便貯金銀行・郵便保険会社)について、日本郵政株式会社は平成29年9月30日までに全部を処分することと定められていました。国が日本郵政の株は3分の1以上保有することが定められていますから、この金融子会社2社の完全民営化により、はじめて国をバックとした信用であったり国の関与は間接的にもなくなる、という法設計でした。
その後民主党・国民新党の連立政権となり、その民営化の流れが大きく変容しました。平成24年に成立した改正郵政民営化法においては、改正前に平成29年9月と明記されていた完全民営化の期限が削除され、「日本郵政株式会社が保有する郵便貯金銀行及び郵便保険会社の株式は、その全部を処分することを目指し、郵便貯金銀行及び郵便保険会社の経営状況、次条に規定する責務の履行への影響等を勘案しつつ、できる限り早期に、処分するものとする」(第7条2項)という記述に変更され、完全民営化は努力義務に後退してしまいました。
わかりやすい銀行の方の限度額の例で説明するとすれば、この状況下にあっては、例えば地方の信用金庫・信用組合・地方銀行などは、金融危機に際し破綻する例も実際に存在する一方で、そもそもの規模が圧倒的に大きい上に国が間接的に株式を保有しているゆうちょ銀行には破綻のリスクは普通に考えれば無いわけで、預金者とすればその違いは大きく、官民のイコールフッティング(同条件での公正な競争)が確保されているとは言えない状況となっています。(つづく)
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