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2014-03-01 17:05
(連載2)米国も窮地にたっているTPP交渉
田村 秀男
ジャーナリスト
米国がライト・トラックに高関税をかけたのは1963年と50年以上も前である。当時、米国は民主党のL・ジョンソン政権で、フランスと西ドイツ(現ドイツ)が輸入米国産チキンに高関税をかけたのに対抗して、ブランデーなどとともにライト・トラックに25%関税で報復した。
64年に妥協が成立したが、同政権は民主党支持基盤の一大勢力である全米自動車労組(UAW)に配慮してライト・トラック関税だけはそのまま残し、現在に至る。つまり、ライト・トラック関税は極めて政治的な動機によって堅持されてきた。
米国議会では今秋の中間選挙を控えている。オバマ民主党政権がライト・トラック関税で譲歩するわけにいかない情勢は、50年前よりももっと厳しい。現に、米民主党の上院院内総務は大統領にTPPなどの一括通商交渉権限を与える法案の審議に応じようとしない。通商問題については、議会が一つ一つの項目について可否の権限を持っている。多岐にわたるTPPなどの通商交渉の場合、議会が合意案を一括審議、承認するようにしないと、米政府は他国との交渉がはかどらなくなる。
米オバマ政権はTPPで日本の農産物関税除去などで攻勢をかけているように見えるが、自身も窮地に立っている。日経のように米国に甘いメディアは、日本の農産物保護だけをやり玉に挙げ、「開国せよ」と書きたて、自国に不利な世論誘導をしかけてきた。米国の聖域を厳しく見るのが公平というものだ。(おわり)
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田村 秀男 2014-02-28 14:45
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田村 秀男 2014-03-01 17:05
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