そのフクヤマが「歴史の未来-自由民主主義は中産階級の没落から生き残ることができるか」(『フォーリン・アフェアーズ』2012年、1月/2月号)と題する論文を寄稿している。現代の世界標準の思想(the default ideology around much of the world today)である自由民主主義を支えている中産階級が、産業構造のスマート化や経済のグローバル化で衰退しており、自由民主主義の「歴史の未来」が危機に瀕している、というのである。中でも、自由民主主義に対する「単一で最も深刻な挑戦」は、部分的な市場経済と専制政府が合わさった中国である、というのである。