それから約10年後、韓国の李明博大統領の発案によって、EAVGⅡが形成され、2012年11月、EAVGⅡ報告書が出た。しかし、率直に言って、その内容はいかにも物足りない。筆者は、最近、トップ・クラスのASEAN事務局関係者と話をする機会があったが、彼も似たような印象を持っていた。EAVGⅡのキャッチ・フレーズは、「グローバルな東アジア」(“Global East Asia”)となっており、アジアの域内の地域統合とは無縁の概念である。すなわち、EAVGⅡは、筆者に言わせれば、そもそも発想の初手からピントが外れている。先にも述べたように、EAVGは、元々、金大中大統領のイニシアティブによるものなので、今回のEAVGⅡについても、韓国がリーダーシップを取り、元外相YOON Yong-kwan(ソウル大学)が代表を務めた。