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2011-02-27 13:46
日本は中東情勢で何も言えないのか
花岡 信昭
拓殖大学大学院教授
「ジャスミン革命」は中東各国に波及している。何十年も独裁体制が続いてきた国が多いから、民主化を求める反政府行動が一気に高まるのもよく分かる。日本政府はあるいは菅首相は、一連の事態をどう見ているのか。なんでものが言えないのか。
以前から日本は「中東で手を汚してこなかった」といわれた。石油の9割を中東に依存していることから、「油乞い」さえ維持されればそれで十分、というのが本音だろう。しかし、ここは価値観外交の正念場だ。自由と民主主義を掲げる先進国の一角を占める日本は、国民に対して銃口を向けるリビアのような事態に対して、もっと大きな声で「許せぬ暴挙」と主張しなければならない。
それによって、地に落ちたアメリカとの関係改善にもつながる。旧体制をひっくり返した勢力に対しては「国家再生のために支援を惜しまない」と宣言することも重要だ。いつもあとからついていく日本だが、国際社会で「カオのない国」といわれてきた汚名を晴らす絶好の機会ではないか。さらには、裏側でも動かなくてはいけない。独裁者が放逐されると、おさえこまれていたイスラム原理主義が台頭する。テロには断固戦う姿勢も明確にしなくてはいけないし、綿密な情報収集体制も必要だ。
もっとも、いまの菅体制には、ないものねだりか。国家はどうあるべきか、国際正義はどう貫かれるべきか、といった視点など皆無に近いのがこの政権だ。そう言われることを回避したかったら、菅首相は毎日の「ぶら下がり」で、国内政局のちまちました動きにとらわれるのではなく、自分なりに中東の民主化推進勢力の動向をフォローし、連日、アジアの一角から支援声明を出すぐらいのことをしてはどうか。
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日本は中東情勢で何も言えないのか
花岡 信昭 2011-02-27 13:46
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菅首相に中東戦略はない?
花岡 信昭 2011-03-04 10:18
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