今年3月に米国で行われた核安全保障サミットに36人の各国首脳が出席したが、3月14日、ワシントン・ポスト紙の看板記者が「この大がかりなショーの最大の敗北者は断然、哀れでますます頭がいかれてきている(hapless and increasingly loopy)日本の鳩山由紀夫首相である」とまでこき下ろした。核問題の国際会議でありながら、被爆国日本のトップはオバマ大統領と公式会談もできず、各国首脳からもまともには相手にされなかった。何とかこぎつけたいくつかの首脳会談も、日本側からお願いをして鳩山首相が相手のいる場所にまで出向く形で実現したと言われる。読売新聞によれば、「ブラジル大統領との会談場所に至っては、これまではあり得なかったブラジル大使公邸。時間が余ったから会ってやったという感じだった」という。まさに、各国政府は日本政府をまともに相手にしなくなっているのだ。ちなみに、次回2012年の核安全保障サミットは、広島や長崎ではなく、ソウルに決まった。国内では鳩山政権の支持率が20%台に落ちたが、日本政府の国際的な権威の失墜はさらに深刻だ。わが国の対外関係においてこれが如何に深刻な事態かということも、現政権には残念ながら実感を持っては理解できないだろう。(つづく)