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2009-10-24 10:15
(連載)羽田国際ハブ空港化問題について(3)
関山 健
東京財団研究員
金浦空港に加えて、今では中国上海の国内向け空港である虹橋空港と羽田空港の間にもチャーター便が就航しており、北京国際空港との間でも北京オリンピック時の臨時チャーター便の成功を踏まえてその定例化が実現した。加えて、政府は、2010年の第四滑走路完成以後、東アジア各国・地域への国際定期便を1日当たり40便就航させる予定であり、金浦空港との間のフライトもチャーター便から定期便に引き上げるとしている。
現在の羽田・金浦間のフライトは、チャーター便であるがゆえに乗客の預かり荷物以外は運べず、基本的に胴体部分の荷物置き場は空の状態で飛んでいるのだが、定期便となれば、このスペースに貨物を載せることも可能となる。また、チャーター便であるがゆえのチケット販売制限もなくなる。
さらに国際線を増加させようとすれば、国内線発着枠を国際線に当てる必要があることとなる。国内の地方空港が羽田空港との路線で何とか存続している事実を踏まえれば、その調整は簡単ではないと考えられるが、その第一の候補として考えられるのは、全国に新幹線網が整備と高速化が進むにつれて国内移動における航空路線と新幹線との代替性が高まってきている路線ではないかと考えられる。なにせ、日本国内の近距離移動は鉄道でも可能だが、島国の日本にとって国際的な移動は航空以外には選択肢がないのである。
羽田空港が東京エリアの住民やビジネスマンからみてアクセスがよいという特性を有効に活用し、近距離のアジア地域との間でさらに密接なネットワークを構築するという目的の重要性を踏まえれば、例えば「新幹線を初めとする地上交通により3時間以内で東京にアクセスできる地点」などのルールを定め、順次国際線に代替していくということが考えられる。(つづく)
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