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2009-03-10 10:29
問われる民主党自身の体質
花岡 信昭
ジャーナリスト
小沢一郎代表の第一公設秘書逮捕は、民主党自身の体質も問われる事態となっている。先日の参院予算委員会で民主党議員は、小沢氏が記者会見できちんと説明したとして「秘書の潔白は、確実だ」といった趣旨の「演説」を行った。委員会というのは質疑の場であって、自分の党の「正当性」を一方的にアピールする場ではない。議会のあり方についての基本的認識が疑われる場面であった。小沢氏側に違反行為がないのだとすれば、これは公党のトップに対するこれ以上はない屈辱である。委員会の場で、堂々と法務検察当局にその「非」をただし、徹底して追及すればいい。
それ以前に、いったい民主党は党内に今回の問題に関する調査委員会のようなものをつくったのか。党首の疑惑を晴らすべく、党の総力をあげる決意を示したのか。党の機関として、小沢氏や関係者からきっちりと事情聴取し、「国策捜査」の実態を天下にさらせばいい。党首がこういう立場に追い込まれたときの、党としての「広報」体制はどうなっているのか。国民に向けて、きちんと説明し、疑惑を晴らすべく「自浄努力」をとことんつくす覚悟があるか。なにやら、見ていると、小沢氏が怖くて、周辺幹部すら何も言いだせないような雰囲気を感じる。それで野党第一党の矜持が保てるのか。
それがいいのかどうかはともかく、もし自民党側でこういうことが起きたら、ただではすまない。演出部分も含めて、もっと多角的な動きが出るだろう。そういってはなんだが、政治資金規正法違反としては、きわめてわかりやすい構図の事件なのだ。西松建設の社員が政治団体の会員になって1口6万円を献金し、西松側はその分を賞与に上乗せしていたという、「こどもだまし」のような手口なのである。民主党はまずもって調査能力があることを示すべきだ。それなくしては、どうきれいごとを並べても、政党としての未熟さを示すだけに終わってしまう。
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