国際問題 外交問題 国際政治|e-論壇「百家争鳴」
ホーム  新規投稿 
検索 
お問合わせ 
2009-02-23 22:10

欧州統合の父、ジャン・モネのシンプルさ

近藤 健彦  明星大学教授
 昨年末に日本関税協会が私の全訳でジャン・モネの回想録を出版した。本屋の店頭で見かけたという話は聞くが、売れているという話は聞いたことがない。ジャン・モネのキーワードはシンプルである。彼の欧州統合の構図は、端的に「仏独融和」であり、これを米国に反対されずにやったことである。

 これになぞらえれば、東アジア共同体議論の唯一にして最大の目的は、21世紀において平和的で永続的な日中関係を構築することである。それには米国の経済再建と協力が不可欠である。オバマ政権が過日、ヒラリー国務長官の最初の訪問国を日本にして、日本人を喜ばせつつ、日本に出したサインは、これだったのではないか?

 モネと35年以上にわたって付き合いのあったOECDの父マルジョラン(Robert Marjolin)は、モネについて「モネは何かというとシンプルというが、あれで人柄はそうシンプルではなかった」と言っている。あれだけの活躍をする人物だから、さもありなん。
>>>この投稿にコメントする
  • 修正する
  • 投稿履歴
欧州統合の父、ジャン・モネのシンプルさ 近藤 健彦  2009-02-23 22:10
┗
求められる戦争体験の相対化  近藤 健彦  2009-04-16 11:01
┗
ジャン・モネを好きになりました  安西洋之  2009-05-04 23:38
┗
安西洋之さんにお答えして  近藤 健彦  2009-05-06 10:09
一覧へ戻る
総論稿数:4731本
東アジア共同体評議会