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2009-01-18 02:40
(連載)中央政策官庁はマクロを見よ(1)
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
1月7日付けの『朝日新聞』夕刊一面に「小物家電の町医者・使い捨て防止へ環境省が構想」という見出しの記事が載っている。内容というのは、家電製品が故障したら地域で家電製品協会から「家電製品エンジニア」に認定されている約5万7千人の「町医者」(リペア・マイスター)に修理を依頼するようにしよう、という提案。要らなくなったら、捨てるというのではなく、中古品として流通させる。そのために、環境省が仕組み作りに乗り出すのだという。同省リサイクル推進室は「2つの取り組みを進めれば、家電の寿命を永くでき、ゴミの減量にもつながる」と見ている、と高山裕喜記者の署名入りのご報告である。
小物家電の使い捨てを防止するのは結構なことだし、ゴミの減量に「町医者」とやらを活用するのも悪い知恵ではない。しかし、これが中央の政策官庁たるもののなすべき仕事だろうか。まして、天下の大新聞が提灯持ちさながらに、何の批判もなく掲載すべき記事だろうか。ちなみに記事中の家電製品協会というのは、年間40数億円の事業規模を誇る財団法人で、この団体の賛助会員には日本の錚々たる大企業がそろい踏み。いわば典型的な外郭団体だ。従って、今回の公益法人制度改革では間違いなく公益認定が取得できる、オカミお墨付きの組織である。その活動を国策として認知し、予算を付け、PRする。こういうことだから、口には「民」のイニシアティブだといいながら、自分の息のかかった活動しか「民」にはさせたくない、という「官」の根性が生まれる。(つづく)
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