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2008-12-01 19:52
アジア共通通貨単位構想について
近藤 健彦
明星大学教授
11月5日付け本欄で、近々ジャン・モネの『回想録』の日本語全訳が出版されるはこびであることは記述した。モネの『回想録』には、私の関心事の通貨統合の記述は殆どない。僅かに彼が欧州石炭鉄鋼共同体の初代委員長を辞してから作ったNGO「欧州合衆国行動委員会」に、時のトリフィンらの国際通貨学者が自説を売り込んでいる形跡が見られるだけである。
話は飛ぶが、1月あまり前、立命館孔子学院で、アドホックに「アジア共通通貨単位」について講義してほしいと依頼された。私は耳を疑った。大学院レベルの公開講座で、これがテーマになりうるのか?もう少し時節柄時局的な金融の話の方がよくはないか?しかし企画担当の教授は頑として「我が学院は専門性を落としたくない」といって聞き入れない。それならやぶさかではないが、この種のものは、参加者が最低10人はいないと「講師が悪い」「テーマが悪い」といわれるのを心配した。行ってみると、某大学の学部学生が大挙して聞きにきていて救われた。なぜときいたら「ゼミでこれについての共同論文を作成中」なのだという。
そのときはまだ話がなかったのだが、日本証券業協会がスポンサーになっている大学のゼミ対抗論文の全国大会が12月中旬2日間、開かれ、「本年のテーマの一つが『アジア共通通貨の可能性とプラス・マイナス』なので、指導講師として出席してほしい」という。そこで孔子学院の件も合点がいった。このゼミ対抗デベートには、全国の大学から20のゼミが参加する。案外「アジア共同体」の議論も学生達の方に先見の明があるのかもしれない。教師の1人としては本望だが、今年の師走は事前に提出された各大学のA4で30枚の論文を読むのに追われている。
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アジア共通通貨単位構想について
近藤 健彦 2008-12-01 19:52
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アジア共通通貨は可能か、メリットはあるか?
近藤 健彦 2008-12-15 17:14
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