「歴史とは過去と現在の対話である(多分、過去と未来との対話でもある)」ならば、過去を冷静かつ客観的に観察しつつ、3国関係の「喉に刺さった棘」を時間をかけて、少しづつ除去していく方法を考え、実行するべきであろう。まず、既に部分的には始まっているが二国間(日韓、日中)での歴史研究プロジェクトを民間ベースで推進していくことである。具体的な歴史問題の一覧表の作成、この問題に対する各国の解釈・立場の一覧表とその客観的史資料・証拠、これに対する関係国の反論とその証拠史資料、これらを第3国の歴史家がコメントし、その根拠を提示する、という形での「不合意の合意(agree to disagree)」形式の暫定的結果を示す。つぎに、これと併行して、教育現場での歴史問題に関するロールプレイを採用していく。3カ国で実験的に小規模で行い、問題点を摘出して修正し、この方法論を拡大していく。