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2025-01-08 21:29
(連載2)コペルニクス的発想の転換の必要性について
真田 幸光
大学教員
しかし、それが実行出来ないのは、上述したように、「日銀が事実上の破綻に陥りかねない。」と日銀自身が考えているからであり、利上げには消極的となっているとも思われます。こうした状況下、今から増税しても間に合わない、だから、中央銀行が過剰に紙幣を供給して財政破綻を回避させるよう注力している、しかし、出口戦略が全く見られないと言う点に、国際金融筋が焦点を充てて日本を評価するようになってくれば、円安も一層進んでしまいましょう。そもそも原則としては、一国の通貨の価値はその国の国力を反映する訳であり、原則的には、経済が強い国では金利が高く、Demand Pull Inflationによる良いインフレが発生して景気も良い為、株価が上昇、投資の機会も増えるというのが、本来の国際金融社会の理解であり、一方で、経済が弱い国ではその逆の現象が起こり、国力の弱い国から強い国へ資本が流れる、こうしたことから考えると、国際金融筋の視点の変化によって、日本円が基軸通貨・米ドルに対して価値を失っていく危険性もあります。こうした日本の究極的なリスクを回避する為には、日本全体の国力を底上げしなくてはなりません。
そしてそれは、金融政策ではなく、「実体経済の発展に寄与するような、日本の強みを反映する製造業や質の高い第一次産業の再構築を進める、その為の、真の成長戦略を具現化する。」「消費税を引き下げ、国民による個人消費を拡大し、日本国民の経済力を背景とした経済発展基盤を作る為の起爆剤とする。」「こうした減税により懸念される財政赤字拡大に対しては、国家支出を見直し、選別的な予算案を構築、議論の結果、優先順位の低くなった財政出動に対して予算を減額、或いは予算をつけず、財政のバランスを取りに行く勇気を永田町全体が持つこと。」に集約されるものと私は考えています。そうした意味で、石破政権の示す、「外国人頼み、外資頼み」と、「金融頼み」の日本経済再生論については、私は真っ向から反対の姿勢を示したいと思います。日本は今、「私たち日本人の手で真の成長産業を見出すべきである。
その前提として、一旦は金融を引き締め、行き過ぎた信用創造、借金をして投資や消費をすることを可能な限り抑制、修正し、実体経済規模に合わせた金融経済規模とし、真の経済成長を誘引すべきである。こうした過程で発生する痛みを、特に既得権益層がよりたくさん抱えつつ、日本を一から再生すべきである。」と考えており、「先ずは130百万人の国民が、出来る限り、日本国内のOutputによって生きていけるようにする国内体制にする。」ことを目指し、また、日本の既得権益層には、先ずは、「今だけ良ければいい、金だけあればいい、自分だけ良ければいい。」と言う考え方をまずは捨てて戴き、「日本、日本社会という公の為に率先して頑張って戴きたい。」と考えており、私自身もそうした行動を取りたいと考えています。
具体的には、「量でなく質を追い求め、高利益を確保する」ことを前提に、少量・変量でもよいから多品種で高品質、そして高利潤が取れる企業、就中、中堅・中小のものつくり企業や農業・水産業、畜産業の育成に注力、その分野としては、高度の核心部品、高度の製造装置、高度の新素材、日本の安心安全な食品生産の開発と、グローバルメンテナンスの世界で日本企業、日本の農家や漁村、畜産農家が発展していくように国家の産業政策を構築し直すことなどが大切であると私は考えています。もちろん、日本オリジンの大企業には、グローバル・マーケット・シェアを取って戴き、更なる発展をして戴きたいと思っています。私は間違っていますでしょうか?(おわり)
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(連載1)コペルニクス的発想の転換の必要性について
真田 幸光 2025-01-07 21:19
(連載2)コペルニクス的発想の転換の必要性について
真田 幸光 2025-01-08 21:29
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