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2022-09-15 15:09
(連載2)トランプ氏の命運と共和党の行方
岡本 裕明
海外事業経営者
アメリカはこの30年、すっかり不思議な国になりました。クリントンのルィンスキー・スキャンダルあたりから私の知る良きアメリカから変わりました。ブッシュ(子)の不人気と9.11、オバマ氏の幻想ワールド、トランプ氏のあとはパンチのないバイデン政権という流れで古い世代と新しい世代の端境期にありアメリカ自身がどう変化するのか、試行錯誤を繰り返しているように見えるのです。その中でトランプ氏は知名度と古き良きアメリカの理解者として懐古主義的保守層が「アメリカよ、もう一度。そのリーダーシップは強き者でなくてはいけない」と考えている節が見えるのです。一方、若い層はトランプ氏がアトランティックシティでカジノを持とうが、NYのプラザホテルの栄華がどんなものであったにせよ、そんなのは関係なく「GAFAMの時代に何を言うのか」という層との二極化なのかなという気もします。
もう一つは高学歴者や高所得者と普通の人との二極化でしょうか。特に物価高で暮らしにくくなった一般大衆にとって生活への不満は相当あるはずでこの地響きが聞こえるような盛り上がりがトランプ氏人気を支えているのだろうとみています。とすれば、上記司法問題がどんな結果になろうとも当人は24年の選挙戦に出るし、共和党候補の一人として有力視されることは確実なのでしょう。しかも有罪者が大統領になれないという明確な法律はないのです。
では共和党はそれでも良いのか、という存在意義にかかわる問題が当然出てきます。下手すれば二大政党のアメリカがついに崩れるきっかけにすらなりえるのです。個人的にはアメリカの二大政党はもう、崩れるべきだと思っています。世の中の切り口はもはやそんなに単純なものではありません。私は二大政党というぐらいなら共和党にいくらでも大統領の資質をもった他の候補者はいるのだろうと考えています。フロリダのデサンティス氏はトランプ陣営にべったりですので、むしろリズ・チェイニー氏のリベンジがあるのか注目しています。少なくとも秋の中間選挙に関して世論は変わってきています。共和党は勢いを欠き、このところガソリン価格の低下、学生ローンの支援などスマッシュヒットを飛ばしたバイデン政権の政策を受けて民主党が支持率を上回っています。つまりつい数カ月前に囁かれた上院下院共に共和党というシナリオは今はありません。
今、アメリカで起きていることはトランプ流という濃厚なエキスを薄めようとバイデン氏をはじめ、他のリーダー層が動きだしている点です。英語でいうdilution(希釈化)であり、アメリカに選択肢が生まれるかもしれません。支持者に選択肢をもう少し提供することが共和党に課された使命のように思えます。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)トランプ氏の命運と共和党の行方
岡本 裕明 2022-09-14 17:48
(連載2)トランプ氏の命運と共和党の行方
岡本 裕明 2022-09-15 15:09
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