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2022-09-14 11:37
(連載2)「マクロの人権侵害」とその課題
鈴木 馨祐
衆議院議員
そして、「マクロの人権侵害」の場合、企業の責任とは言い切れない状況の変化により、契約を解消せざるを得ない場合、その結果生じる損害や賠償を当該企業にすべて背負わせることが妥当なのか、また国の法律等に基づかない企業の「自主的な」判断を事業廃止等の判断根拠とした場合、経営者のその判断が株主から訴えられないか、という観点も必要です。
むしろ、今回のガイドラインは児童労働や強制労働といった企業が自らの意識で変えていくことが出来るものに対象を絞り、国際社会や各国の制裁対象となり企業の事業継続に大きな影響を与えうるような「マクロの人権侵害」に関しては、アメリカのウイグル強制労働防止法のように法律に根拠を求め、国の責任の下でより明確な基準と行動を設定する枠組みとするべきではないかと思われます。
今後国際的な議論の中で、国際会計基準における非財務情報開示において、事業継続リスクの観点から、企業が国際社会の制裁対象となる可能性が高い人権懸念国や安全保障上の懸念国にどの程度サプライチェーンや投資先を有しているかに関するリスクの開示が求められてくる可能性が出てきています。そうした国際金融市場からの懸念・リスク評価に備える観点からも、国が自国企業の行動変容を促す取り組みは極めて重要ですが、その枠組みは合理的なものであることが極めて重要です。
他にも、このガイドラインについては、日本企業において技能実習生等がどう評価されるか、等々の問題もあります。経済産業省をはじめ政府の関係部署においては、こうした党の会議で指摘された様々な論点にきちんと対応できるガイドラインへの修正を求めるとともに、今後とも党として、引き続き政府の動向を注視し、必要な指摘を続けていきたいと思います。(おわり)
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(連載1)「マクロの人権侵害」とその課題
鈴木 馨祐 2022-09-13 18:38
(連載2)「マクロの人権侵害」とその課題
鈴木 馨祐 2022-09-14 11:37
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