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2022-06-22 23:58
(連載1)9党党首論戦、どう見るか
岡本 裕明
海外事業経営者
昨夜6月21日、韓国と台湾の人たちとの定例になった食事会の席で話題になったのが「日本の円はどうなっているんだ」ということです。円安に怒っているのではなく、心配しているというトーンであります。世界の動きとはあまりにもかけ離れた状況に「日本だけ何処か違うところに向かっているのではないか」という懸念があるのでしょう。香港にあった有名な水上レストラン「ジャンボ・キングダム」が曳航中に沈没したニュースがありましたが、これが「ジャパン・キングダム」でなければよいと思います。円安の質問に対して私のその場の答えは「今、金利を上げると困る人や会社が多い。だけどこの低金利は20年もずっと続いているから金利は低いものだという固定概念が人々にも会社にも植え付けられてしまった。これが最大の問題」ということです。
さて、参議院議員通常選挙を7月10日に控え、国政政党9党による党首討論が行われました。私があえて切り口を全く変えて一言コメントするならば党首の皆さんの主張していることは全員「パッチワーク政策」。つまり、バブル崩壊後、ビビり政策となり、これ以上悪いことが起きないように何かあればパッチで穴をふさぐという政治をずっと続けてきており、今回の党首討論も「今、何処に穴が開いているのか。どの穴を塞がなくてはいけないのか」というスタンスなのです。再建、再興という発想はそこにはないのです。例えば物価高問題について岸田首相は「エネルギーと食料品価格にしっかりと政策を用意する」と述べています。「岸田検討使」の最も多いフレーズ、「しっかり」がしっかり入っています。気持ちはわかるのですが、何をしっかりやるのか、具体的に述べて欲しいところです。
野党は「消費税を下げろ」でほぼ一致しています。消費税が下がることは現実には考えにくいですが、仮に下げた場合、野党の戦利品になるのでしょうか。維新の松井氏は赤字国債、国民民主の玉木氏は10万円のインフレ手当…と様々ですが、それが本質的な答えなのでしょうか。物価が上がった理由を考えてみましょう。為替は補助的理由で主因は海外からの輸入財の価格の上昇です。これがキー。つまり、日本だけが物価安で世界の楽園になることはない以上、本質的には物価が多少上がっても耐えられる経済力をつけることが大事なのです。
高齢者はどうするのだ、といえばそもそも年金にはマクロ経済スライドがあり、物価対応しているわけですが、それでも足りないならその計算式を変えるなりの調整はある程度可能かと思います。なぜなら物価が上がるということは理論的には財源の運用益もそれ以上に生まれるはずだからです。物価高による財源確保は可能なはずなのです。(つづく)
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(連載1)9党党首論戦、どう見るか
岡本 裕明 2022-06-22 23:58
(連載2)9党党首論戦、どう見るか
岡本 裕明 2022-06-23 17:23
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