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2022-03-17 07:25
(連載2)ウクライナで中国は漁夫の利を得るか
岡本 裕明
海外事業経営者
『ウクライナ問題の行方』(3月10日付e-論壇「百家争鳴」)で、ウクライナの戦争は誰と誰の戦争か、という話題を振りました。私は祖国戦争だと申し上げましたが、それは西側諸国に寝返りを打ったウクライナへの厳しい折檻のつもりもあるでしょう。ロシア事情専門家の佐藤優氏はさらに19年に「ウクライナのキエフ府主教がモスクワ総主教庁から独立し、イスタンブールの総主教に帰属したこと」(デイリー新潮)をプーチンが恨んでいるという指摘もありました。これはウクライナを舞台にした民主主義対権威主義の戦いとも訳せそうです。とすれば中国がバックアップをするのはナチュラルであり、あらゆる経済価値が紙くずに近い状態のロシア資産を一気にすくい取る極めてたやすいサクセスストーリーがそこに存在します。
冒頭、私は橋下氏も高市氏もどっちもどっちと申し上げたのは今の西側諸国の強力な制裁は中国を恐ろしいほどの利益をもたらすことに他ならない点で軽々しく中国うんぬんと言ってはいけないのだろうと思うのです。私が思う西側諸国を利する方法としてはウクライナ再建のための全てのコストをロシアに負担させることでウクライナ、ひいては西側諸国が膨大な間接債権を取り、西側諸国がロシアのあらゆる資産にアクセスできる手法を考えることだろうと思っています。日本ができることは例えばサハリン1やサハリン2を再開させるにあたり、日本が債権者として同プロジェクトを全面的に主導し、そこからの利益で債権を回収するといったこともあるでしょう。国後、択捉島の共同管理という名目で北方四島に乗り込むアクセスづくりもあるかもしれません。
確実に言えることはこの戦争は西側諸国にとって極めて大きな飯のネタに変貌する可能性を秘めており、戦争というものはその悲惨さと裏腹にそういうことを虎視眈々と狙うのがごく普通に行われてきたことは認識しなくてはいけません。こんな戦争をやっているときに人道的観点はないのか、と怒られると思いますが、多くの戦争は結局争って何を得るか、という最終ゴールを目指す人間のエゴそのものなのです。
多分インテリジェンスレベルでは既にあんなテレビ討論とは全く別次元のスタディが始まっていると私は確信しています。その気があれば非常に面白いスキームが作れるはずで、既に誰かがこっそり準備していることだろうと思います。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)ウクライナ問題の行方
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(連載1)ウクライナで中国は漁夫の利を得るか
岡本 裕明 2022-03-16 16:42
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(連載2)ウクライナで中国は漁夫の利を得るか
岡本 裕明 2022-03-17 07:25
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