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2022-02-09 09:10
(連載2)企業の「値上げできる自由」好循環の兆しか
岡本 裕明
海外事業経営者
例えば都市部のマンション価格がバブル時越えになったとされますが、私は不動産の利回りがまだ期待できる日本の物件に世界の触手が伸びているのだと理解しています。かつて、東京オリンピックが終わったら日本はもう将来の夢も希望もなく消費をしない高齢者ばかりだ、という姥捨て山的で猛烈な悲観論も存在したのを覚えていらっしゃる方も多いでしょう。オリンピックを二度も見られるなんて冥途の土産なんていう方もいらっしゃったのです。そこまで閉塞感があったのですが、ここにきて少し明るくなりそうな気配です。
理由は何でしょうか?私は逆説的ですが、企業が値上げできる自由を取り戻したからだと思っています。2月から4月にかけて様々な製品は5-20%価格上昇します。飲食店の価格も更新されるかもしれません。「センベロ」が「ニセンベロ」になるかもしれません。もちろん、一部の方には厳しい影響になりますが、社会全体としてはこれで廻るようになります。いままで企業は価格改定ができなくて人件費を削り、「ここは我慢をしてくれ」と言い続けました。しかし、企業努力ではどうにもならなくなり皆で一斉に上げ始めると日本人の特性として「うちも」「弊社も」という流れになります。また既存製品の値上げが微々たるものでも新製品は現在価格に合わせた高価格の商品が投入されるでしょう。そうすると消費者に慣れが生じます。
賃金が上がり、企業業績が上がり、株価が上がれば世の中にお金が廻るのです。日銀は低金利でお金を世の中に廻すと言い続けましたが、その恩恵を受ける人以上にマイナスの影響もあった点を誰も指摘しません。いつまでも地に這いつくばった金利水準ではなく「上げる」ことを考えざるを得なくなります。事実、日銀内ではその検討をしたようだと一部で報じられています。
もしもこの循環が生まれるなら日本に本当の春がやってきます。日本は外圧に弱い国で、内弁慶であります。今回の価格上昇も原油を含めた原材料の輸入物価の上昇という外圧でしたが、それで閉塞感がクリアになるのであれば結構なことです。目覚め、立ち上がり、乗り越えるという気持ちを持ち始めるとできないことはない、と思うようになるでしょう。株価もきっとそれを暗示するような展開になるような気がします。(おわり)
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(連載1)企業の「値上げできる自由」好循環の兆しか
岡本 裕明 2022-02-08 18:51
(連載2)企業の「値上げできる自由」好循環の兆しか
岡本 裕明 2022-02-09 09:10
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