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2021-07-21 11:29
(連載2)迷走の根源は菅首相にある
中村 仁
元全国紙記者
さらに「各国首脳と人脈ができた」とも言った(読売)。たった一回のサミットに臨んだくらいで、「人脈ができた」と、普通は老練な政治家は言わない。人脈ができたから長期政権に臨めるの意味でしょう。最近の混乱に触れると、政府は酒類提供禁止に応じない飲食店に、「取引停止をお願いする」と、卸売り業者に圧力をかけ、猛反対にあってすぐ撤回しました。金融機関にも融資停止を求め、これもすぐに撤回です。担当の西村経済再生相がもっぱら批判の的となり、辞任要求もでました。これは筋が違う。都議選の不振、政権不支持率の上昇、迫る衆院選を前に、焦った菅首相が強引に指示を乱造していた結果と考えたい。酒類取引停止問題では、関係閣僚、省庁の協議に首相も出席し、事前説明を受けているとの報道です。自らの責任逃れのために、「具体的な内容は議論していない」と、意味不明の釈明で責任を下に押し付ける。
こんなワイドショー向けの話より、もっと重大なのは、ワクチン接種の対象者の優先順位が間違っていることです。経済を回すなら、現役世代にまずワクチンを接種し、接種証明書を発行する。証明書があれば、飲食店で酒も飲めるし、イベントにも出入りできる。そうした措置をとっておけば、今の混乱は避けられた。
85歳以上の高齢者、基礎疾患のある人などはともかく、一律に高齢者を優遇したのは間違いです。現役世代が疲弊すれば、経済は回らない。現役世代に支えられる医療保険制度を維持できない。さらに大都市部をワクチン接種で優先すべきでした。大都市部からコロナ感染は広がる。感染者が少ない県はその後でも構わない。「ワクチン接種は何事も平等に」という原則が間違っているのです。
野党が西村経済再生相の辞任を迫っています。西村氏の本音は「官邸の指示に従い、了承されていたはず」でしょう。野党が追及すべき課題は他のところにあり、ピントが外れています。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)迷走の根源は菅首相にある
中村 仁 2021-07-20 21:59
(連載2)迷走の根源は菅首相にある
中村 仁 2021-07-21 11:29
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