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2021-03-23 00:04
(連載1)コロナ対策の背景に存在する世代間の対立
中村 仁
元全国紙記者
新型コロナウイルスウイルス対策の緊急事態宣言は、21日で全面解除されました。多くの視点がある中で、本音で論じられていないのが「現役世代が高齢者の犠牲になっているのではないか」です。こういう問題設定をすると、「高齢者を見殺しにしていいのか」という批判が殺到しますから、政治家もメディアも医療関係者も意図的に避けているのだと思います。政府が必死になっている「感染拡大の抑止か経済か」は、「高齢者の保護か、現役世代の重視か」に行きつきます。
欧米に比べ、特に日本のコロナ死者は100分の1か数十分の1です。日本の若い世代、現役世代の死者は、そのまた2割程度でしょう。他国に負けまいとするコロナ対策の負荷がそれらの人たちに集中的にかかっている。新型コロナ感染がどの程度、深刻であるかをみる指標は病床使用率、重症者数、死者数などがあり、最も重要なのは死者数でしょう。新型コロナによる日本の死者は累計で8700人です。年代別の内訳をみますと、80歳以上が5000人、70歳代が1800人、60歳代が600人です。死者の約9割が60歳以上で、80歳以上だけで全体の約8割になります。
若い人たちの死者数はどうか。10歳以下はゼロ、20代は3人、30代は16人、40代は63人、50代は180人です。基礎的な体力や免疫力が衰え、病弱な人が多い高齢者に死者は集中し、若い人は死なない。感染者数はどうでしょうか。東京都の場合、感染者は累計で11万人(全国では45万人)です。これも年代別にみると、90歳以上は2000人、80歳以上は5000人、70歳以上は7000人です。全体の10数%です。
コロナ危機を大局的にみると、働き盛りの若い現役世代、学生、子供は、社会活動するから感染しやすく、全体の8割を占めるのに、死者は極めて少ない。70歳以上の高齢世代は感染者が少ないのに、死者は8割に達する。(つづく)
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(連載1)コロナ対策の背景に存在する世代間の対立
中村 仁 2021-03-23 00:04
(連載2)コロナ対策の背景に存在する世代間の対立
中村 仁 2021-03-24 10:07
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