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2007-07-13 22:51
連載投稿(1)第5回NEAT年次総会を控えて
廣野良吉
成蹊大学名誉教授
本年8月20-22日シンガポールにおいて、第5回東アジア・シンクタンク・ネットワーク(NEAT)の年次総会が開催され、ASEANプラス3の13カ国からシンクタンクおよび有識者・研究者が参加する。第1回の2003年北京総会には、NEATの日本カントリー・コーデイネーターである財団法人日本国際フォーラムが日本から代表団を送ったが、その後は第2回のバンコック総会から第4回のクアラルンプール総会まで、日本国際フォーラムから委嘱を受けて、ALL・JAPANで組織されている東アジア共同体評議会(CEAC)が代表団を組織し、派遣してきた。
NEATは、毎年度の総会で合意されたテーマに従い、翌年度の総会に向けて作業部会(WG)を組織し、各国間および各国内で議論を積み重ねてきた。第4回総会では、第3回総会で組織されたWGの1年間にわたる研究成果が発表されたが、「域内為替レートの安定」、「共同体構築の全体構造」、「貿易FDI技術の連携」の3つのテーマに関するWGは日本が主催国であった。第5回総会では、中国が「東アジア金融協力」と「東アジア投資協力」、韓国が「東アジア文化交流の増進」、マレーシアが「移住労働に関する東アジア協力枠組み」、シンガポールが「東アジアにおけるエネルギー安全保障協力」、そして日本が「東アジアにおける共同体構築の全体構造」に関するWGの主催国であり、それぞれにその研究結果を総会に報告することになっている。
ASEANプラス3の傘の下には、NEATのほかに、東アジア・フォーラム〈EAF〉もある。東アジアの産官学の交流の場として2003年以来毎年1回開催されてきた。EAFの日本ナショナル・フォーカル・ポイントである日本国際フォーラムとCEACは、EAFにも第1回ソウル総会から第4回シェームリアップ総会まで毎年日本代表団を派遣してきた。今年の第5回総会は開催地が東京であり、日本が主催国となるので、日本国際フォーラムやCEACの会員である多くの有識者や企業人等にとっては参加の機会があるであろう。
これらの国際交流を有意義な場にする為にも、日本国際フォーラムやCEACは、これまで多数の国内研究会や国際研究交流を組織してきた。すでに3年間続けている研究プロジェクト「東アジア共同体構想とリージョナル・ガバナンスの新たな展開」はその好例である。昨年6月にはこのプロジェクトの一環として日米アジア対話「東アジア共同体と米国」が開催された。今後も、日本国際フォーラムやCEACはこれら国内外の活動を続けていくことになるであろうが、ASEANプラス3首脳会合やNEAT総会の場で示された地域内の共通認識を再確認した上で、そのような問題提起に応えるための具体的提案をすることで、会員間の討論の活発化に資したい。(つづく)
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