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2021-01-04 10:08
中国の国際面での強硬姿勢について
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
この正月は自宅でほぼ過ごした。知人たちとのメールのやり取りで、某知人と同じ思いを知り嬉しかったので、それを記したい。今の国際的に強硬姿勢の中国の中にある3つのトラウマだ。1つ目は、1989年の天安門事件。表向きには対中強硬姿勢の米も日本も、水面下では中国当局へ低姿勢ですり寄ってもいた。「ああいう暴徒対策は、軍隊を使うなど最悪だ」、「我々なら、ホースで水をかけたり、ガス放出で戦意を喪失させる方策をとる。そうした技術面での指導、備品の提供をいたします」などと話していたのだ。中国はしっかりと学び、今や最先端の技術を駆使しての国民総監視体制のシステムを開拓している。そして大事な、共産主義思想の希薄化した精神面での手当として、「愛国主義教育」を実施した。日本が西側の経済制裁を真っ先に破り、経済協力、首脳訪問などをした恩を忘れるかのように日本をターゲットにした政策であった。中国の知人曰く「選挙の洗礼の無い政権が、正統性を得るには、日本の侵略に対抗した中国共産党とやるのが一番だった」とのことである。
2つ目は、1991年のソ連邦崩壊だ。崩壊時のソ連や東欧諸国での下克上に、中国の党幹部は震え上がった。ゴルバチョフのやった野放図な言論の自由や米国との協調を反面教訓に賢く対応した。中国の知人曰く「米は今、経済が発展してゆけば民主化が行われる筈だった、騙されたなどと言うが、中国を馬鹿にしていて、絶対に米国には追い付けないと考えていたのだ」とのことである。3つ目は、中国はブランド思考が強く、何でもナンバーワンを尊ぶ。2番手以下には大きな差をつける、昔の皇帝とその臣下との差のようにと言われる。その例外として、日本を細かく学習していたのだ。戦後の日本経済の発展、経済面での米との対立、バブルの崩壊、政府主導の経済成長政策、企業の保護、中国の場合は国有企業保護、そして金融管理政策などだ。今、米との対立の中で中国は対日融和背策を取り出している。国家戦略は変えずにの対日接近だ。
日本の一部では、米国が国を挙げての中国との経済戦争を戦っている最中に、日本が米を裏切る真似をすれば大変だというものが多い。日本は、米に忠実に尽くしたこともあった。AIIB設立の際には、米と歩調を合わせ、英や豪を不参加すべく説得した。英も豪も、内側から、中国を宥め、今のルールに合わせる世に説得するなどと言う理屈のもと参加した。いつもフラフラしている豪は、その後米と歩調を合わせ、コロナでの中国批判など行い、今中国からの経済面でのいじめで困っている。豪州の知人曰く「中国は乱暴者だ。思い切った報復政策をしてくる。米に余り歩調を合わせすぎるのも考え物だ。中国非難は慎重にやるべきだ」と述べている。
今中国との経済戦争での最前線にいる西側の人たちは、これには米企業も入るが、皆共産主義体制下での独特の陰湿ないじめ、意地悪に悩まされてもいるのだ。外野の人たちが、中国には毅然とした態度で臨めと言うが、言うはやさしく実際は困難を極めるのだ。強権中国は、50年保証の筈の香港での一国両制を23年で破り、香港の自由と民主を弾圧している。日本も豪も、心ある人たちは心の中では香港の人たちに同情しても、実際の行動では何もできないのが現状なのだ。
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