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2020-12-18 08:43
最近の中国情勢について考える
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
中国情勢は益々不透明で読みにくくなりつつある。最近筆者が注目したのは、12月10日ベトナムが開催したオンラインによる「拡大ASEAN国防会議」で、これには中国も米もそして日本も参加している。その会議で、アジア太平洋、インド洋を含む地域での自由、開放の自由を歌う「共同宣言」が出されたことだ。これは、中国の譲歩、一歩退いた姿勢を見せてもいる。勿論、今後の実際の中国の行動を見て行かないと何とも言えない話ではあるのだが。
今や、米国民はコロナ禍もあり世界の盟主としてのふるまいは益々出来そうにない。しかし、一方、中国についても経済力の最近の向上から影響力を増しつつあると言え、現在の世界の主流となっている「自由」と「民主主義」的秩序と真っ向から対峙する姿で、これで中国主導の国際秩序を作れるとは思えないとの見方が多い。筆者が取材した中国人学者も「今の中国にそんな実力などはない」と述べている。今の中国人知識層の若者の向学心と活力に燃える姿を見ると、丁度明治時代の若者の姿とだぶる。内村鑑三、新渡戸稲造などが、日本でクラーク博士などから教えを受けた理想の社会を米国に夢見て乗り込み、一度はその落差に落胆する姿も似ている。勿論、両者とも、立派なキリスト教精神を持った米国人にも会い、思い直し世の中夢みたいな社会ばかりではないと認識するのだ。日本や欧米社会は、今やポストモダンの社会にいるが、中国はまだ近代化の途上にあり、それゆえ活力も明治の若者並みに感じられるということかもしれない。
日中関係は、経済力が逆転し、中国の方が断然優位となり、頼みの米国の衰えも見えてもいる。経済において中国の主導の世界がやってくるのか、今後注意して見守る必要はあろう。
今ちまたでは、最近の王毅中国外交部長の来日は、習近平主席訪日の促進ではなく、中止を言いに来たとの噂が多い。日中の経済力の差がはっきりしだし、日中間のパイプも弱くなって来ている。正当な政府ルートのみならず、以前力のあった政治家間、自治体間、民間の経済界間皆総崩れだ。日本はこれからも中国相手に苦戦を強いられる局面も多くなって行くものと見られる。しかし、背伸びせず、淡々と着実に知恵を働かせ対応して行くよりほかはないのだ。
現在の中国の姿は、直前の清王朝のものだ。1616年中国東北地方で生まれた女真族は、まず、モンゴル、中国本土を治め、その後版図を広げてゆき様々な民族を包み込んだ大帝国となり今の中国の国土がある。その後の歴史は皆様ご存知のように、1842年のアヘン戦争に象徴される産業革命を経て、国力、技術力を断然ました欧米に圧倒、翻弄されるのだ。その仲間にはもちろん日本も加っている。そして、それに反発して生まれたのが今の共産主義中国だ。今後それがどう変化してゆくのか、行かないのかも注目される。
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