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2020-11-29 09:24
米中学者との会話
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
米国および中国の学者と、クアッド(日米豪印戦略対話)その他について会話したところ、その要旨を紹介したい。
まず、王毅中国外相の訪日についての中国人学者の発言は次のとおり。中国の狙いは、習近平主席の訪日実施への道筋などあるが、一つの狙いは、クアッドへの対応だ。今、中国は世界でその高圧的外交でいたるところでフリクションを起こしていると言ってもよいだろう。思い起こすと、天安門事件後西側諸国が一斉に対中締め付けを行っていた際、それを真っ先に切り崩してくれたのは日本だった。日本の海部首相が、西側の首脳として初めて訪中した。王毅外相は、最近の訪問先のドイツで、台湾を訪問したチェコの国会議長を非難した。今までは、対中経済関係を重視して、中国へは低姿勢だったドイツだが、この時はドイツ外相が、正面切って中国の高圧な態度を非難をした。王毅は、文革中に日本語を勉強し、日本大使もした日本通だ。大使の時に公邸の近隣の住民を公邸へ招待し、日頃右翼の宣伝カーの騒音などお騒がせしていてスミマセンと謝罪したりした。今回の訪日中には、王毅は私の知る限りではあまり目に余るような高圧的な言動はなかったのではないか。彼は中国国内で、日本贔屓と取られないよう細心の注意を払っている。今までEU内部では中国への低姿勢の代表格だったドイツだが、最近クアッドに興味を持ち、アジアでの権益の少なくない英、仏とともにインド太平洋での西側の協力に乗り出してくるとも言われている。
次に、米国人学者の発言は次のとおり。そもそもクアッドは、ブッシュ大統領(ジュニア)の時、2007年のアセアンの会議に各国が部外参加した際、日米豪印の4カ国が立ち上げたものだ。米は、チェイニー副大統領が参加した。しかし、中国との貿易を重視する豪は、すぐ退場した。インドも消極的だった。豪は、そもそもあまり頼りになる国ではないと見る向きが米では多い。しかし、アジアにおける、民主と自由を標榜する国であり、白人の国だ。今回、豪、印とも中国と深刻な対立を抱え、より真剣だともいえる。しかし、前回、今回も共和党政権の産物なので、バイデン民主党になりこれがどうニュアンスを違えてくるのか注目される。
最後に、中国経済についての中国人学者の発言は次のとおり。日本の一部報道では、コロナの影響下経済活動で困難をきたす欧米の経済の鈍化に比べ、中国の目覚ましい経済の活発さを取り上げたりしているが、中国経済は実際に中長期的に見るとその経済成長を持続させるためには、産業構造の改革が必要でそれは、どこの国もそうだが、権益を持つところの抵抗があり、そう簡単ではない。トランプ時代の対中圧力を利用しての改革を提唱する学者もいた。中国はやがて来る中国の老齢化におびえているし、何より今、人件費の高騰に悩みつつある、これは中国の稼ぎの大本である貿易の国際競争力に多大な影響を及ぼすものだ。
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