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2020-11-11 08:34
(連載2)トランプの法廷闘争は大統領選再出馬の布石か
中村 仁
元全国紙記者
カマラ・ハリス氏は、真っ白なスーツに身を固め、美しいロングヘアをなびかせ、ゆったりと間合いを取ったスピーチには好感が持てました。母親はインド系、父親はジャマイカ系という混血で、初の黒人の副大統領です。もともと移民社会ですからこういう選択が現実になるのでしょう。高齢のバイデン氏の後継大統領になる可能性がささやかれます。
「結束と和解」を呼び掛けるバイデン氏の7400万票に対し、トランプ氏は7100万票を獲得し「違法な投票を除けば、私の勝ちだ」として、法廷闘争を続け、米国社会の分断を煽り続けるようです。分断を煽るというより、米国社会の分断に目をつけ、政治的な争点に仕立てあげ、大統領選を戦ったアジテーターというのが正しいのでしょう。ですからバイデン氏が大統領になっても、社会の分断は続く。
無謀だと言われながらも、トランプ氏が法廷闘争を続けるのは、実は、4年後の大統領選に再出馬する布石ではないかとの見方もできます。法廷闘争を長引かせ、支持者を引き付けておく計算なのでしょうか。高齢なバイデン氏は1期4年で大統領を降りるかもしれない。ハリス氏が遅くとも8年後に大統領選に出馬してくる可能性があります。余人の予想がつかない行動をとるトランプ氏ですから、再出馬もありうる。
最後に。米国や世界がじりじりしながら、票の行く方を見守ったのは、激戦州における郵便投票を手作業でのろのろと、開票したためでした。「メガデータを情報処理する5G(第5世代移動通信システム)、情報が瞬時に拡散するSNS、AI(人口知能)の時代というのに、西部開拓時代からの大統領選の仕組みがまだ続いている。最新の情報技術を駆使する全米共通のシステムに改組すべきだ」という指摘があります。確かに手作業による開票は、5GやSNSによる情報拡散とのギャップを生み、選挙結果の遅れが無用の混乱を生みかねない。権力の空白も生じ、そこに目を付けた第三国に乗じられる機会を与えかねません。(おわり)
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(連載1)トランプの法廷闘争は大統領選再出馬の布石か
中村 仁 2020-11-10 15:56
(連載2)トランプの法廷闘争は大統領選再出馬の布石か
中村 仁 2020-11-11 08:34
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