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2020-09-07 07:42
「ある英国人との会話」の補足
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
英国人と話をしていて感じるのは、英国はEU離脱をしたとはいえ、やはりヨーロッパの国なのだということ、そして米との距離の近さだ。米は、人口構成でやがて中南米系に追い上げられると言われているが、まだ白人が太宗を占め、彼らはヨーロッパ各地からの出身なのだ。英国に入る米およびヨーロッパからの情報の量と質は、日本へのそれより格段に上だ。この点、日本は肝に銘じておかなければならない。
最近の、米陸軍のシンクタンクの報告書で、今の米の対中包囲網攻勢に本気で参加してくれそうなのは、日本、豪州、台湾だと述べているのことが注目されているが、韓国はどうなんだとなるだろう。米は、韓国が中国側にさえ行かなければ、同盟国としてふらふらしていても仕方がないとしているのかもしれないし、今、韓国が米に要求している原潜を認めれば、核保有まで至近距離だ。その時日本はどうするのか、現場の方々は既に考えておられるのだろうが、今の憲法改正どころではない国を分断するテーマとなろう。
我々有色人種から見ると、同じ白人、ヨーロッパ人と言っても、厳然と格差があり、西欧は、東欧、南欧人を馬鹿にする。同じ英連邦の白人国でも英国人は明らかに豪州人を下に見ている。
9月3-4日付け姉妹e-論壇「百花斉放」に掲載された山田禎介氏の「チェコ代表団の台湾訪問が意味すること」で指摘されている法王の動きは、この場合はポーランド出身の法王が米の秘かな後押しで、ソ連打倒に動いたわけだが、今の法王の立ち位置はだいぶ異なる。歴史上初めてのヨーロッパ以外の南米、アルゼンチン出身で、共産中国とどう握手するかが注目されている。北京としては今の対米緊張の状況下にある欧州の重要さにかんがみ、欧州で唯一、中国と国交がなく台湾と結んでいるバチカンへ攻勢をかけてもいる。態度変更に成功すれば、従来の南太平洋や中南米、アフリカの小国の態度変更どころではないインパクトが世界の外交に及ぶ。米は、あくまでアメリカファーストで、北京台湾を将棋の駒にしているのだ。日本の記事ばかりだと、最近の米の台湾接近で台湾側は浮かれているように見えるが、北京などのシンクタンクの見方は、台湾側は駒扱いされていつか使い捨てにされるかもしれないと困惑もしているのだ。そして仕方なく、米から押し付けれた兵器をしこたま買い付けさせられている。しかしこれは、日本も同じである。
北京の国内の諸機関への浸透工作について彼は、「英と共産体制との長い対決で、これは難しい問題だ。右派の人間は物事を単純に考え、孔子学院を廃止せよ、大学への海外からの資金提供には精査をせよとのたまうが、自由と民主の国々では、それぞれ個人の自覚、警戒に尽きるのだ。ソ連の英各界への浸透ぶりはすさまじく、第二次大戦後、英各界の著名人が秘かなソ連への情報提供者だったことに皆吃驚した。特に気を付けなければならないのは、スリーパーと言うやつで、今まで反ソ連で名を売っていた人間がふたを開けたらソ連のシンパだったことだ」と述べた。この話を聞いて筆者は、東工大の前身の東京高等工業学校出身の某中国人が、大戦後日中友好団体の大立者として登場したこと、今、日本で反中で名を売る評論家たちもふたを開ければ北京の回し者ということもあり得るのだと思った。
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