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2019-07-04 11:05
(連載2)日米安保破棄は現実的か?
岡本 裕明
海外事業経営者
では、朝鮮半島からの撤退があった場合、日本はどうなるのでしょうか?私見としては中国が新たなる冷戦相手となる可能性はあり、太平洋の防衛ラインを維持することは重要で、日本との安保を「もうやめた」ということはまず考えられないとみています。とすれば、トランプ発言は日本に対して「もっと金を出せよ」というせびりか、「貿易交渉が待っているぜ」の脅しか、「安倍首相も憲法改正をしたいんだろう」という暗黙の援護射撃のどれかではないかとみています。
では、憲法改正の援護射撃だった場合、いくらアメリカが応援したとしても本当に安倍首相に実現できるでしょうか?少なくとも現時点で見れば困難だと思います。あまりにも世論がそこに向いていません。世界で様々な不和が起きる中、日本だけが奇妙な静けさの中にあり、危機感がまったく高揚していないのであります。
ある役人と話をした時、「日本の外交は全方向外交で実にうまくやっている」と自画自賛していましたが、外務省は基本的に弱腰仲良し外交路線を長く続けており、敵を作らないやり方にたけています。これが結果として9条改正機運に結び付かない間接的な影響とみています。また、仮に憲法改正で9条が見直されたとしても日本が独立独歩になるのは1000%無理であります。現代の戦争とは実際のドンパチというより、カードゲームのように潜在兵力や能力で「俺はこんなもの、持っているぜ」「俺だってこれがあるぜ」というバーチャル上のバトル合戦です。それには日本はあまりにも年老いているし、潜在兵士としての人口も足りないし、防衛予算の膨張は国民が許さないでしょう。
トランプ大統領の言う「いざという時、アメリカは日本を守るが、日本はアメリカを守らない。これは不公平だ」という点もトランプ大統領のトランプゲームの手の内の一つというのが本音ではないでしょうか?日米安保破棄は全くもって現実的ではなく、言葉をそのまま受け止める話でもないと考えています。(おわり)
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投稿履歴
(連載1)日米安保破棄は現実的か?
岡本 裕明 2019-07-03 18:08
(連載2)日米安保破棄は現実的か?
岡本 裕明 2019-07-04 11:05
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