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2019-02-28 14:49
(連載1)下向く中国経済の行き先
岡本 裕明
海外事業経営者
中国の実情を冷静に見ることのできる方は、中国経済の低空飛行ぶりに当然だろう、と言うでしょう。事実、統計の数字は眉唾物だし、都市部と地方の経済格差は拡大する一方です。共産党員と非党員の差別化もあります。更には共産圏のはずなのに貧富の格差は資本主義国家よりも拡大している事実を見るにつけ、共産主義とは名ばかりで自分の懐が全てという残念な形になりつつあります。中国人は昔から金銭に執着する人種で自分さえ儲けられれば、という発想が強い傾向があります。中国人と話をすると中国の社会システムは信用していないといいながらも、それをうまく利用して自らの金儲けに繋げているという抜かりなさも感じます。
そんな中国人も最近は抜け駆けして金儲けするにはちょっと難しくなったようです。国内株式は上海総合指数が2015年春の高値から崩落した後、現在はその半値程度で長く低迷しています。不動産についても既にピークアウトしているようです。日経によると1月の不動産販売は前年同月比3割減と報じられていますが、トレンドとしてみても販売は下向きが見て取れます。
また、海外で儲けるという手段も厳しくなりました。中国国内から海外への資金持ち出しは厳しく規制されていますが、いまだに抜け道はあるとされます。一方で、持ち出しても中国人が好きな投資対象国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどではいわゆる金融緩和の時期は終わっており、一般向け不動産投資は入口より出口が難しい状況でよりリスキーになっています。
既に富を蓄えた中国人は一時期、億人単位いるとされました。極端な話、日本の総人口ぐらいの人が富裕だったというわけです。過去形にしているのはその話題があったのが中国不動産がまだ好調な頃で中国政府の引き締め前だったからで、現在、どれぐらいいるのか、はっきりとしません。共産党員は自分の資産を明白にしないはずですから隠れ富裕層もいる半面、投資やビジネスが失敗したケースも相当数あると考えられます。また、富裕層でも資金が寝てしまっている場合も多いと思います。(つづく)
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