今回のSIISの国際会議では、ASEAN事務局長のオン・ケン・ヨン(ONG Keng Yong)が基調講演を行ったが、その中で、私にとっては少々意外な発言があった。基調講演後、中国社会科学院アジア太平洋研究所の張所長の「ASEANにとって東アジア共同体は本当に必要なものか」という問いに対し、オン事務局長は「何かあれば良いもの」(”something nice to have”)であって、「なければならないもの」(”must have”)ではないと答えた。そして「つまり東アジア共同体は、ASEANにとってセカンド・カーのようなものだ」とも表現したのである。