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2018-11-26 10:21
(連載1)TPP11がやってくる!
岡本 裕明
海外事業経営者
TPP11の発効の目途が立ったようです。11月にもカナダとオーストラリアが国内手続きを完了する見込みで、これにより遅くとも年明けにはいよいよ現実のものとなります。このTPP11は日本語であり、英語ではCPTPP(The Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership)と呼びます。ただし、一般の方に格好をつけて「CPTPPが…」と英語でしゃべりだしても100%通じないのも事実であります。
カナダではNAFTAに変わるUSMCAに形を変えることで合意しましたが、カナダの貿易量を考えても多くの人は環太平洋地域との貿易がどれだけ重要なのかという点はあまり重視していないのかもしれません。カナダは欧州とは包括的経済貿易協定(CETA)をすでに結んでおり、欧州の製品が比較的安く買える時代になっています。貿易量は各分野でCETA締結前より一桁%後半から二桁%で伸びています。カナダで欧州製の自動車はもともと安かったのに更に下がっていくことになり、消費者の選択肢は当然増えていきます。
そういう意味ではTPP11も一定のインパクトはあると考えています。域内GDPは12兆ドルでEUの20兆ドル、NAFTA(USMCA)の24兆ドルには現時点では及びませんが、加盟国が増えそうなことと加盟国の潜在成長力が高いことから10年でEUの規模に肉薄する可能性はあります。
ではモノが急に安くなるのか、といえば実はTPP11に加盟している国のうち日本と個別EPAがないのはカナダとニュージーランドだけでほかの国とはすでに90%から100%に近い自由貿易の提携が行われています。つまり、目に見えてモノが安くなるという効果は限定的かと思います。むしろ、北米のUSMCA、欧州のEUに対抗する強力な経済連携がアジア地区に登場することで政治経済的な発言力が増すことに大きな期待が寄せられるのではないでしょうか?(つづく)
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岡本 裕明 2018-11-26 10:21
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