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2017-12-09 17:22
「習近平思想」ではなく「習近平の新理念」
金井 進
無職
第19回中国共産党大会で党規約に付加された『習近平新時代中国特色社会主義思想』(中国語)を日本のメディアでは「習近平の新時代における中国の特色ある社会主義思想」と邦訳し、短縮して「習近平思想」と伝えているが、一つの異論を述べたい。
習近平は「思想」ではなく「理念」という用語を使用しています。つまり、「理念」とは行動の導き手であり、行動の全体、基本、方向、未来をつかさどり、構想、方針、重点がまとめて表されたものです。発展が成功するか失敗するか、それはひとえに発展の理念にかかっている、と述べています。そして5大発展理念(イノベーション『創新」、グリーン『緑色』、開放『開放』、分かち合い『共享』、調和『協調』)の中核には「人間『人民』の全面的発達」があり、最終目標はその実現であるとしています。又、国内外の安全面で多くの問題を抱えていることから、安全『安全』の発展理念を追加し、6大発展理念が新時代の発展理念であると唱えています。
発展理念には思想的根拠があり、6つの理念にはそれぞれ、異なった思想的根拠があります。例えば、『調和』の発展理念には3つの思想的根拠があります。まずは中国古代の『中庸』思想です。次にマルクス主義唯物弁証法です。3つ目は毛沢東の調和的統括や江沢民、胡錦涛の科学的発展観という政治思想です。
12月2日付の本欄への加藤隆則氏の「習近平の中国は文革時代に近づいているのか?」の中で、加藤氏は「習近平思想」は思想のつまみ食いと述べておられますが、「習近平の新理念」はつまみ食いというよりむしろ、新旧思想の弁証法的統合と思います。日本のメディアが、皮相的に「習近平思想」として習近平の独裁集権化と捉えず、「新理念」の中身を正確に報道することを望みます。
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投稿履歴
習近平の中国は文革時代に近づいているのか?
加藤 隆則 2017-12-02 22:19
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「習近平思想」ではなく「習近平の新理念」
金井 進 2017-12-09 17:22
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