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2017-07-21 20:42
(連載2)保守、中道の二大政党化の可能性
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
国政選挙ではないが、都議会選挙では、自民党が大敗し、民進党はさらに大敗し、小池知事率いる都民ファーストの会という新党が大勝ちした。都民ファーストには公明党が付き、連合も選択的ながら支援するという形がとられた。これは今後の政局を考える上で大きな意味がある。自民党は資本主義国日本においては、どのような事態になろうとも、やはり二大政党の一角を占めることは間違いない。
ヨーロッパ等のケースを見れば、それに対抗するのはリベラル左派の民進党のはずだが、今の支持の落ち込みをみれば、異なった展開も十分にありえる。民進党(民主党)は自民に対抗するために、非自民のすべてを受け入れる形で大きくなり、それによって方向性がばらばらのまとなりのない政党を作ることになった。政権奪取時の失敗のイメージもあまりに強く残っており、足かせとなっている。今、可能性としてでてきたのは、保守・自民に対抗する新リベラル政党の出現だ。将来的には、公明党や連合なども連携・支持する形になるかも知れない。保守vsリベラルの二大政党のもと、そのいずれをも否定する共産党を中心とした野党がチェック機能を果たすという新たな形が出てくる可能性がある。
公明党の支持母体の創価学会は、特に防衛問題においては平和主義を掲げており、安倍内閣の進める路線には完全に賛成することはできない。連合は、共産党と連携する民進党の姿勢に躊躇しており、新たなリベラル政党が出現するなら、その支持をするオプションを持ちたい状況だ。保守・自民と公明や連合が支援するリベラル・小池新党が対峙する新政局の可能性が否定できなくなってきた。この場合には民進党は分裂し、新政党につくグループと、共産党などとともに野党連合を作るグループに分かれるだろう。
このシナリオが実現するかどうかは、民進党が明確な路線を打ち出し、国民や連合の支持を得る形をとれるかどうか、自民党が国民の支持を回復し、また一人勝ちに近い選挙状況を取れるかどうかに、かかっている。今のところ、そのどちらも難しい。来年の総選挙ではあっと驚くような新展開があるかもしれない。(おわり)
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児玉 克哉 2017-07-20 20:48
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