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2016-10-08 15:28
(連載2)中国の恐れるTHAADドミノ
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
ではなぜアメリカはTHAAD配備をあれだけ強く推進しているのだろうか。まずは韓国内の米軍基地の防衛だ。米軍基地を守り、報復攻撃が迅速にできる体制を作ることが目的といえる。韓国としては、アメリカの報復攻撃が確実に実行できる環境を作ることによって、北朝鮮への抑止を効かせようとしている。
これだけなら、中国がここまでTHAAD配備に反対する理由はない。アメリカは中国に対しての戦略としてこのTHAAD配備を推進していることは明らかだろう。ポイントは4つある。1.THAAD配備によって韓国内の米軍基地とともに日本の米軍基地を守ること、2.THAAD配備と連動してXバンドレーダーを配備することによって、中国の主要部分でのミサイルの動きをカバーすること、3.THAADドミノにより台湾、日本、フィリピンなどへのTHAAD配備を行うこと、4.韓国にアメリカの軍事同盟国だという踏み絵を踏ませること、である。
Xバンドレーダーは1000キロ先の10センチ単位の物体を識別するという精緻さがあるといわれる。また推定探知距離は2000キロ以上あるといわれる。韓国だけでなく、台湾や日本、フィリピンにTHAADシステムとXバンドレーダーを配備できれば、アメリカは中国包囲網を完成することができるのだ。THAAD配備はアメリカの対中国包囲網を軍事的にも外交的にも作り上げる戦略と言える。中国が嫌がるのも当然と言える。
こうした事態になったのは北朝鮮の核兵器・ミサイル開発だ。それがアメリカに韓国へのTHAAD配備の口実を与えたことになる。中国は、北朝鮮の暴走を抑えることが出来るのか。このままいくと、韓国へのTHAAD配備は実現されるだろう。次に日本への配備も問われることになる。韓国でもTHAAD配備には地元から反対の声がある。日本でもおそらく同様の反対が起こるだろう。とはいえ、北朝鮮だけでなく中国の核ミサイルは脅威だ。真剣に戦略を考えていかなければならない。(おわり)
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(連載1)中国の恐れるTHAADドミノ
児玉 克哉 2016-10-07 11:58
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児玉 克哉 2016-10-08 15:28
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