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2016-06-29 10:30
(連載2)「日本ブランド」に警笛!
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
中国は今、必死に変化をしている。その変化に日系企業がついていけないなら、日系企業にチャンスはない。例えば環境規制の問題。既に少なくない日系進出企業が環境保護局の指導に従えず「行政処罰」を受けてしまっているという事実を、今一度真剣に考える必要があると私は考える。日系企業は環境先進企業だ、と高をくくっていたら大失敗をしてしまう。このまま日本企業が環境違反を続けてしまえば、結果として「日本」というブランドを傷つけ、至っては日本の国益をも損ねる事態になりかねない。この新常態下にあっては、「攻め」と「守り」を同時に進めるべきであるし、日本ブランドを担う日本政府としては総合的な支援体制を準備しいち早く動くべきではないだろうか。
中国側の危機こそ、日本にとっての機会とみるべきで、この対処法が間違えれば日本株は下がるが、対処法が功を奏すれば日本株は更にその価値を上げることだろう。中国の体制が本来の理想とされる環境に戻りつつあるのであるから、そこにある日系企業もそれに合わせた体制作りを行い、先んじで環境やエネルギー分野にて手本を示し、必要とされる技術やノウハウについては政府の支援を用いて一気に浸透させていくという戦略戦術を組むべきではないか。そうすることで、結果日本ブランドが中国の環境問題を解決し、安定した社会作り、つまり中国で言うところの「和諧社会」の建設に貢献できるという一石二鳥のビッグチャンスを目の前にしていることを知るべきである。歴史においてそうそう何度も訪れることはないであろうビッグチャンスである。時は二度と戻ってこない。このチャンスを逃した後に幾ら自らの不甲斐なさを嘆いてみても始まらない。
世界の強国といわれるアメリカやドイツ、フランスなどの先進国は、既に中国の環境問題を解決するという大名目の下、将来のビッグビジネスを獲得するために着々と浸透作戦の準備を行っており、単なる一企業としての取り組みではなく国家の意思として中国政府や地方の工業開発区などとも交渉に乗り出している。ただ日本だけが、民間企業の性善説的自主性に任せてばかりで、全くもって国家としての意思を明確にしようとしない。日中関係云々というマスコミを恐れてか、それとも彼らの世論扇動に負けてなのか、誰もが中国と聞いただけで尻込み中なのかと思ってしまう程もどかしい状況が続いている。中国から以前のような余裕が消えていることも確かだ。中国も日本との前向きな関係構築を望んでいる。
日本政府が送り込んだ新しい中国全権大使、在上海総領事はともに中国を熟知しているチャイナスクールの方々である。これはまさしく日本国家として、千載一遇のチャンスを獲りに行く為の布陣とみても差し支えない。早急に官民一体となっての取り組みを模索すべきである。そうすることで、今日本内部で沸々と湧き出し始めた大手企業の大企業病の処方箋ともなるであろうし、今後の日本の将来に向けた新体制の基礎ともなる次世代日本ブランド「クールジャパン・セカンドステージ」へと昇華できるのではないだろうか。かつての日本がそうであったように、高度成長している時には回りがよく見えない。これまでの中国にはこうしたことが当てはまるかもしれない。しかし、状況は変わりつつある。お互いに落ち着きを取り戻した今、日中関係の新時代を作り上げることができるかもしれない。(おわり)
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(連載1)「日本ブランド」に警笛!
児玉 克哉 2016-06-28 11:14
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(連載2)「日本ブランド」に警笛!
児玉 克哉 2016-06-29 10:30
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