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2016-04-28 17:21
(連載1)オスプレイの熊本地震での物資輸送を考える
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
熊本地震の被災地への輸送支援として、在日アメリカ軍は輸送機MV22オスプレイを使いました。ジョン・ドーラン司令官は声明で、「日米同盟と日米の友情を際立たせる活動だった」と言っています。被害日本大震災の時のいわゆる「トモダチ作戦」の延長とも言えます。発表によれば熊本県南阿蘇村などに届けられた食料や水などの支援物資は計約36トンに上りました。オスプレイは2機態勢で、19日のみ4機出動しました。
これには賛否両論があります。まずはとにかく、困っている地域に物資を輸送し、被災者を助けたことはしっかりと評価すべきだということです。36トンの物資はすごく大きいわけではないにしても、小さいわけではありません。特に孤立していた阿蘇村などへの物資輸送は大きな意味を持ちました。しかし、本当にオスプレイが適当であったのかどうかは議論の余地があります。オスプレイの導入に対して議論があっただけに、オスプレイの実績作りのための政治的配慮があったのではないかという否定的な見方があります。
私は、政治的な意味は当然としてあったと思います。「軍」が動くとき、ただ単に「ともだち」としての利他的な目的で動くことはありません。必ず、なんらかの意味があってのこと。ポイントはその「政治的な配慮」が結果として救援に意味があったかどうか。私は当たり前の意見ですが、意味があったと思います。道路が封鎖されていて孤立状態のところに物資が運ばれることは大きな意味があります。まずはこの点は確認しましょう。また議論の一つに、アメリカ軍からの申し出なのか、日本政府からの依頼なのかということがあります。琉球新報(2016年4月5日付)は以下のように報じています。「19日付の米軍サイト『dvids』は空輸支援活動は『日本政府の要請に基づき提供している』と明記している。17日付の米軍準機関紙『星条旗』電子版も『日本政府が土曜(16日)に米国務省に支援を願い出た』とする米政府当局者の説明を掲載している。
一方、同じ17日の朝、安倍晋三首相は米軍の空輸支援について『申し出があるが、今直ちに支援が必要だという状況ではない』と報道陣に説明し、支援は米側の申し出によるものとの認識を示していた。中谷元・防衛相は18日の国会答弁で『米側から協力申し出があった』としており、日米の説明に食い違いがある。」どちらが先に話をしたのかは、この場合にはあまり大きな問題ではありません。両政府にとって、オスプレイの価値を示すことは意味があります。話になれば、両政府とも合意したといことでしょう。ただ、オスプレイが本当に適当な運輸手段であったのかどうかは、政治的な意図とは別に考えておきたいところです。(つづく)
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(連載1)オスプレイの熊本地震での物資輸送を考える
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児玉 克哉 2016-04-29 03:06
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