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2015-09-04 11:32
(連載2)チャイナ幻想から覚めないメディア
田村 秀男
ジャーナリスト
これまでの4~5%の元切り下げ幅程度で、輸出を大幅に伸ばし、過剰生産を緩和できるはずはない。人民銀行がもう一段の元安に踏み出そうとすれば資本逃避はさらに加速しよう。どう転んでも、中国経済も上海株にも回復の見込みはどこにも見当たらない。日本を含む世界はいかにチャイナリスクを自国経済から遮断するか、リスクをどうチャンスに変えるか腐心するべきだ。条件は目の前にぶら下がっている。
国際商品市況と中国の鉄道貨物輸送量の推移を追ってみる。同輸送量は「北京当局のファンタジー」とまで多くの専門家から評される国内総生産(GDP)に対し、信頼度がかなり高い経済指標である。中国景気は昨年はじめから下降局面に入り、それに連動する形で鉄鉱石、天然ゴム相場が下がり、その後を追うように原油相場が急落した。貴金属、穀物市況のトレンドも共通する。
国際商品市況の低迷は世界景気不安につながるとの見方がメディアでよく報じられるが、変な話である。確かにロシア、中東など資源輸出国にとってみればマイナスだろうが、世界景気を引っ張るのは日米欧など消費国にとってみれば好材料になる。インフレ懸念がないのだから、米国は利上げを急ぐ必要はない。
日本の実質成長率は、消費税増税による後遺症から抜けきれず、前年度に続きこの4~6月期もマイナスが続いている。家計消費、さらに企業の設備投資もよくない。政府と日銀は内需振興に向け財政・金融の両輪をフル回転させるべきだ。(おわり)
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田村 秀男 2015-09-03 09:03
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